「感染リスクは身近に 基本的な対策の継続を」首都圏 知事会議

東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県の知事がオンラインで会議を開き、変異ウイルスが広がる中、感染のリスクは身近に潜んでいるとして基本的な対策の徹底や不要不急の外出自粛に継続して取り組んでほしいと呼びかけました。

緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が続く中、1都3県の知事は現在の感染状況や今後の対策について意見を交わすためオンラインで会議を開きました。

会議では、感染力が強い「N501Y」の変異があるウイルスが全体の7割から8割に上昇していることや、テレワークが伸び悩み人出が拡大傾向にあることが報告されました。

そして、知事たちは職場でマスクをせずに同僚と会話をして感染したケースや屋外でバーベキューをして感染したケースなどがあることから、感染のリスクは身近に潜んでいるとして、改めてマスクを正しく着用するなど基本的な対策の徹底や不要不急の外出自粛に継続して取り組んでほしいと呼びかけました。

小池知事は「変異ウイルスが主体になっているので、対策の基本に戻って徹底することをしっかり伝えていきたい」と述べました。

埼玉 大野知事「改めて1都3県での強いメッセージ必要」

首都圏の1都3県の知事によるテレビ会議で、埼玉県の大野知事は「大型連休のあと、陽性者は急激には増えていないが高止まりの状況だ。外出自粛の呼びかけに一定の効果はあるものの弱まっているのではないか。今月末の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の期限に向けて改めて1都3県での強いメッセージが必要だ」と述べました。

千葉 熊谷知事「まだまだ楽観できない」

首都圏の1都3県の知事によるテレビ会議で、千葉県の熊谷知事は現在の感染状況について「1都3県が連携を密にとって早期に対応したことがギリギリ持ちこたえている要因の1つではないか。ここからは具体的な感染事例をもとにしっかり説明をして県民には緊張感を持って対策を取ってもらうことが重要だ」と述べました。

そのうえで、「屋外や自宅でも感染のリスクがあることや飲食店以外でもリスクがあることをしっかりと伝えていきたい」と述べました。

会議のあと、熊谷知事は記者団に対し、今月末が期限のまん延防止等重点措置について「今の感染状況、病床の使用率を見るとまだまだ楽観はできない。来週改めて感染状況を見て、1都3県の意識を合わせたうえで、最終的な判断をする。今の状況であれば、今の取り組みを続けていくことが重要だ」と述べました。

そのうえで「緩和をする時は1都3県が連動するような形にしなければ、今までの努力が水の泡になるリスクもあるのでコミュニケーションを取って出口戦略を考えていく」と述べました。

神奈川 黒岩知事「重点措置 解除できるか楽観できず」

首都圏の1都3県の知事によるテレビ会議で、神奈川県の黒岩知事は「1都3県では、感染者の激増は抑えられているが、神奈川県ではきょうの感染者が300人を超えるなど十分に下がっているとは言えない。まん延防止等重点措置は、今月31日に期限を迎えるが本当に解除できるのか、楽観はできないと考えている。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置は、解除するにせよ、延長するにせよ、1都3県で共同歩調を取るべきだと思うので、来週、また知事会議で話し合いたい」と述べました。

会議のあと黒岩知事は、記者団に対し「1日の感染者数は、6日連続で前の週の同じ曜日を下回っているが、下げ止まりに近い状況だ。まん延防止等重点措置を解除すべきか延長すべきか今はまだ判断できないので、もう少し、感染者の動向を注視する必要がある」と話しました。