無症状の感染者把握へ 早稲田大学で国のモニタリング検査開始

5万人近い学生が通う東京の早稲田大学で、新型コロナウイルスの無症状の感染者を把握する国の「モニタリング検査」が、20日から始まりました。

このモニタリング検査は、感染拡大の兆候を把握しようと、国が全国の繁華街や大学など、人が集まる場所で症状のない人を対象にPCR検査を行っているもので、内閣官房によりますと、大学や専門学校などおよそ250校が参加を希望しているということです。
20日は5万人近くが通い、対面での授業も継続している早稲田大学で始まり、新宿区の会場には、アプリで予約した学生らが、午前中だけで260人余り訪れ、受け取った検査キットでだ液を採取していました。

結果は2日後にアプリを通じて知らされ、陽性の疑いとなった学生は受診を求められます。

大学院生の女性は「初めて検査を受けました。家族にぜんそく患者がいて、心配していたところです。学内で感染者が多く出ると、対面授業の継続に影響しないか不安もあるが、早期に感染を把握する取り組みはありがたい」と話していました。

20日は、4キャンパスで学生と教職員、合わせて1300人余りが検査を受けたということで、今後も週1回のペースで行われます。

大学では、キャンパス内の無症状の感染者の把握に加え、クラスターが発生しやすいとされる運動部の学生2500人や、寮に住む600人も検査するとしています。

感染対策を担当する松尾亜弓総務部副部長は「春から対面授業を再開しているが、無症状感染者を把握することで、今後の授業方針の検討にも生かしていきたい。1人でも多くの学生に参加してほしい」と話していました。