iPS細胞で確認 パーキンソン病の薬がALS患者にも効果か 慶応大

全身の筋肉が次第に動かなくなる難病のALSの患者に、パーキンソン病に使われている薬を投与することで症状の進行を7か月、遅らせる効果を確認したと慶応大学のグループが発表しました。
患者のiPS細胞を使って薬を特定する「iPS細胞創薬」の成果だということです。

これは慶応大学の岡野栄之教授らのグループが、国の承認を得るための治験として行いました。

ALS、筋萎縮性側索硬化症は、全身の筋肉が次第に動かなくなる難病で、根本的な治療薬はありません。

グループは、患者のiPS細胞から作った、病気の状態を再現した神経細胞で実験を行うことで、パーキンソン病の治療に使われる「ロピニロール」という薬がALSの進行を抑える可能性があることを突き止めました。

そして、ALSの患者合わせて20人にこの薬を投与したところ、半年間だけ薬を飲んだグループでは1年後におよそ9割が歩けなくなったり、しゃべることができなくなったりしたのに対し、1年間飲み続けたグループではおよそ4割にとどまったということです。

データを解析したところ、症状の進行を7か月分遅らせるという結果になったということです。

こうした、iPS細胞を活用して薬を探す研究は「iPS細胞創薬」と呼ばれ、最近、注目されています。

岡野教授は「これまでマウスの実験で効果があってもヒトでは効果がないことが多かったが、『iPS細胞創薬』によってかなりの手応えを得た。ALSが死に至る病気でなくなるよう最大限の努力をしたい」と話しています。