英首相コロナ感染時の担当看護師が病院辞職 政府に失望か

イギリスのジョンソン首相が去年、新型コロナウイルスに感染して入院した際に、献身的に看護してくれたとして感謝していた看護師が、働いていた病院を辞職しました。背景には医療従事者の待遇の改善に政府が取り組んでいないことに対する失望があると伝えられています。

ジョンソン首相は去年春、新型コロナウイルスに感染して入院し、集中治療室で手当てを受けた際、看護師のジェニー・マクギーさんらが献身的に看護に当たってくれたとして、退院後、名前を挙げて感謝の気持ちを示していました。

イギリスのメディアは、この看護師のマクギーさんが勤めていた病院を辞職したと伝えました。

マクギーさんは、来週放送される予定のテレビ番組で「私たちは本当にひどい状況を切り抜けてきた。しかし、敬意が払われず相応の報酬もなかった。もううんざりで辞表を提出した」と述べたということです。

また、イギリス政府の新型コロナ対策についても「決断力に欠け、効果的ではなかったと多くの看護師が感じている」と批判しました。

政府は国の医療制度のもとで働く看護師などの賃金について、ことしの値上げ幅を1%と勧告していますが、今後の物価上昇率などを考慮すると実質的な値下げになるとして、医療従事者の間では失望感が広がっています。