仏 約7か月ぶりに飲食店が屋外営業を再開 感染状況の改善で

フランスでは新型コロナウイルスの感染状況の改善を受けて規制が緩和され、飲食店がおよそ7か月ぶりに屋外での営業を再開しテラス席で食事を楽しむ人たちの姿が見られました。

フランスでは新型コロナウイルスの感染拡大を受けて去年10月以降、飲食店の営業が原則禁止されてきましたが、感染状況の改善を受けて19日、規制が緩和され屋外で人数を制限したうえでおよそ7か月ぶりに営業を再開しました。
首都パリ市内の店ではテラス席で読書したり食事を楽しんだりする人たちの姿が見られ、友人と訪れた30代の男性は「外での食事は家での食事と違い、仕事仲間や友人と出かけられる大切な時間です」と話していました。

この店は観光名所のエッフェル塔に近く以前は客の4割が観光客だったということで、経営者の男性は「日本人など観光客が戻ってこなければこれまで通りの利益にはなりません。早く戻ってきてほしいです」と話していました。
映画館も入場者の数を制限しておよそ7か月ぶりに営業が再開され、パリ市内の映画館には午前9時すぎから次々と観客が訪れ大きなスクリーンでの上映を楽しんでいました。

フランスの新規感染者数は減少しているものの5月19日の新たな感染者数は1万9000人を超えていて、専門家の中には規制の緩和に慎重な意見もあり、ワクチンの接種を進めながら感染の再拡大を抑えていく方針です。

ルーブル美術館も再開

去年10月末から休館していたルーブル美術館もおよそ7か月ぶりに再開しました。

美術館や博物館では密集しないように、1人当たり8平方メートルを確保するため人数制限を行うよう求められていて、ルーブル美術館では事前の予約制にするなどして入館する人数を絞っています。

19日は予約していた人たちが開館前から列をつくり、入館すると作品をじっくりと眺めたり、名画「モナリザ」の前で写真を撮ったりしてひさしぶりの美術館を楽しんでいました。
パリに住む20代の女性は「とてもうれしい。作品の前で泣きそうになりました。きょうは1日、画面では見ることのできない細部を見てまわります」と話していました。

また、歴史を学んでいるという学生は「美術館に戻ってこられて幸せです。ずっと待っていました。ルーブル美術館の中を歩いているだけで満足です」と喜びをあらわにしていました。

ヨーロッパ 外国からの観光客受け入れ再開の動き

ヨーロッパでは外国からの観光客の受け入れを再開する動きも広がっています。

EU=ヨーロッパ連合は19日、大使級の会合を開き一部の国を除いて原則、禁止してきたEU域外からの渡航について、新型コロナウイルスのワクチンを接種した人には認めることで合意しました。近く閣僚級の会合を開いて正式に決定する方針です。

これに先駆けてイタリアは、5月16日からEU加盟国や日本、アメリカなどからの旅行者に対しPCR検査の陰性証明などがあれば入国後の隔離措置を撤廃しました。

また、今後ワクチン接種を終えた証明の提示でも入国後の隔離を行わない方針を示しています。

ギリシャは5月14日からEU加盟国やイギリス、アメリカなど合わせて50余りの国からの旅行者について、ワクチン接種を終えた証明かPCR検査での陰性証明を提示することを条件に入国後の隔離措置を撤廃したほか、フランスも来月9日から同様の証明の提示で外国からの観光客を受け入れる方針を示しています。