「残業65時間へ」遺族など “過労死ライン” 見直しを訴え

過労死の労災認定の基準が残業時間については1か月平均で80時間とされる、いわゆる「過労死ライン」について、遺族や弁護士がWHO=世界保健機関などの指摘を踏まえ、65時間に見直すべきだと訴えました。

見直しを訴えたのは、長時間労働などが原因で家族を亡くした遺族や弁護士で、19日に厚生労働省で記者会見を開きました。

国は過労死として労災を認定する基準について、残業時間は1か月平均で80時間としていて「過労死ライン」と呼ばれています。

一方で、WHOとILO=国際労働機関は、1日当たり8時間働いた場合、1か月におおむね65時間の残業をすると脳や心臓の病気を発症する危険が高くなると指摘し、各国の政府や企業などに対策を求めています。

このため、現在の基準では遺族や病気に苦しむ労働者が労災と認められないケースが出ているとして「過労死ライン」の残業時間を1か月65時間に見直すべきだと訴えました。

また、新型コロナウイルスの影響で広がったテレワークによって、仕事と家庭生活の区別があいまいになり、長時間労働が広がる懸念があるとして、対策を急ぐべきだとしています。

「全国過労死を考える家族の会」の代表で、夫を過労自殺で亡くした寺西笑子さんは「国には、命より大切な仕事はないという思いで労災の認定基準の見直しを進めてほしいです」と話していました。

厚生労働省は、過労死を認定する基準について、昨年度から、およそ20年ぶりに見直しに向けた検討をしていて「WHOなどの指摘を含め、さまざまな知見をもとに有識者で議論を重ね、検討していきたい」としています。