「路上飲み」対策で駅前広場をフェンスで封鎖 東京 新宿区

緊急事態宣言で飲食店への営業時間の短縮要請が続く中、都内では繁華街を中心に路上などで集まって飲酒する行為が問題となっています。東京新宿区はこうした「路上飲み」への対策として、高田馬場駅前の広場をフェンスで封鎖する措置を取りました。

緊急事態宣言に伴い、都内では多くの飲食店が休業したり営業時間を短縮したりする中、繁華街を中心に屋外で飲酒する「路上飲み」が相次ぎ、感染リスクに加え、ごみの放置といった迷惑行為が問題となっています。

新宿区では警察などと協力して「路上飲み」を止めるよう声かけを続けてきましたが、高田馬場駅前の広場では、多い時は若い人を中心に100人ほどが酒を飲むなどしていたということです。

区では先月9日に広場を半分ほど封鎖しましたが、目立った改善が見られなかったため19日、広場と歩道の間にさらにフェンスを設置して、広場の中にある喫煙所ごと封鎖する工事を行いました。

近くに住む80歳の女性は「いつも広場に多くの人が集まっていて、密で危ないなと思っていた。封鎖したのはよかったと思う」と話していました。

大学2年の男子学生は「自分の大学の学生も広場で飲んでいたと思う。イベントや旅行もできずストレスがたまる気持ちは分かるが、広場の封鎖を機に路上飲みもなくなって早くコロナが収まってほしい」と話していました。

新宿区の松田浩一危機管理担当部長は「声かけをしても飲んでいる人には聞いてもらえない部分もあり、今回はやむを得えず物理的に塞ぐという苦渋の決断になった。どうすれば飲んでいる人に届くのかということは引き続き考えながら対策を取っていきたい」と話していました。

ゴミ拾い団体代表「自分の行動を見つめ直して」

高田馬場駅前の広場では、近くにある早稲田大学の学生団体がゴミ拾いの活動を続けています。

去年1月に発足した「ロータリーの会」では、週に6回、朝か夜に広場のゴミを拾っています。

ことし3月、都内で2回目の緊急事態宣言が解除されたあとに、広場で飲む人が特に増え、空き缶だけで200個ほどが放置されていたこともあったということですが、今でも毎回、ゴミ袋5つほどがいっぱいになり、中にはワインやウイスキーのボトルも含まれているということです。

広場が封鎖されたことについて、代表の早稲田大学の新井国憲さんは「広場は高田馬場の顔だし、交流や憩いの場でもあったので、封鎖されてしまうというのは、しかたないとはいえ本当につらいです。路上飲みやポイ捨てが絶えず封鎖に至ったと思うので、そうした人たちにはコロナ禍での自分の行動を見つめ直してほしいと思います」と話していました。