75歳以上の医療費窓口負担2割引き上げ改正案 参議院で審議入り

75歳以上の医療費窓口負担を年収200万円以上の人を対象に2割に引き上げる法律の改正案が参議院で審議入りし、菅総理大臣は、若い世代の負担上昇を抑え、すべての世代が安心できる社会保障の構築を進める法案の意義を強調しました。

75歳以上の医療費窓口負担を年収200万円以上の人を対象に、現在の原則1割から2割に引き上げる法律の改正案は19日、参議院本会議で審議入りし、菅総理大臣も出席して趣旨説明と質疑が行われました。

質疑の中で自民党の石田昌宏氏は「これまで一貫してきた社会保障制度改革の基本を、今回の法改正でどのように反映しようとしているのか」とただしました。

これに対し菅総理大臣は「若者と高齢者で支え合い、若い世代の負担上昇を抑えるという長年の課題に対応するために、一定の収入以上の方々の窓口負担を2割とするものだ。すべての人が安心できる社会保障の構築を進めていく」と述べました。

また、立憲民主党の石橋通宏氏は「『これ以上、窓口負担が増えれば、病院に行けなくなる』といった当事者の悲痛な叫びが届いていないのか」と指摘しました。

これに対し菅総理大臣は「必要な受診が抑制されないよう経過措置を設けることとした。引き上げの対象となる高齢者の方々にとって、厳しい改革だと考えているが、少子高齢化が進展する中で待ったなしの改革だ」と述べました。

一方、菅総理大臣は三原厚生労働副大臣が委員会審議に遅れた影響で、改正案の審議入りが19日に先送りになったことについて「国会対応が優先である中、委員会に遅参し、国会日程に影響を及ぼすことになったことは、誠に遺憾だ。三原副大臣には今後十分気をつけて行動するとともに、引き続き全力で職務にあたってもらいたい」と述べました。

新型コロナで無くなった羽田元国交相へ追悼演説

去年12月に国会議員で初めて新型コロナウイルスの感染により亡くなった、立憲民主党の羽田雄一郎元国土交通大臣に対する追悼演説が、参議院本会議で行われました。

追悼演説は、遺族らが傍聴席で見守る中、羽田氏と親交の深かった自民党の尾辻元参議院副議長が行いました。

この中で尾辻氏は、羽田氏について「人の話をよく聞いてくれ、誰からも慕われる人柄だった。与野党が厳しく対立する場面でも、先生がいると、場の雰囲気が自然と柔らかくなった」と振り返りました。

そして、羽田氏が生前、新型コロナの医療支援に尽力していたことに触れ「ご自身のことは二の次の方だったが、わが身は顧みないことを宿命とされたのか。そんな覚悟のある人間をエリートと言うのだろうが、何でもいいから生きていて欲しかった。先生の遺志は必ず受け継いでいく」と死を悼みました。

本会議場では演説中、肩をふるわせながら涙を流す議員らの姿も見られました。