新型コロナ 台湾で感染急拡大 ワクチン接種が課題に

台湾では海外から到着した人などを除いた域内での新型コロナウイルスへの感染が新たに240人確認されました。感染が急拡大するなか、ワクチンの接種を順調に進められるかが課題となっています。

台湾当局は18日、海外から到着した人などを除き、域内で新型コロナウイルスへの感染が確認された人が新たに240人増えたと発表しました。

また、新たに2人が死亡し、累計の死者数は14人になりました。

感染の急激な拡大を受けて台湾では19日から居留証を持たない外国人の入境を原則として停止するほか、すべての学校で対面での授業を取りやめ、オンライン学習に切り替えるなど、対応に追われています。

一方、ワクチン接種では、17日までに少なくとも1回接種した人が22万人と、人口の0.9%にとどまっています。

当局は海外からおよそ2000万回分の調達にめどをつけたとしていますが、これまで実際に届いたのは30万回分余りです。

これについて蔡英文総統は18日「さまざまなルートを通じて海外で調達するワクチンが続々と届くことになっているので、心配しないでほしい」と呼びかけました。

また、台湾の複数の製薬会社がワクチン開発を進めていて、7月末までには供給が始まるという見通しを示しており、順調に接種を進められるかが課題となっています。

ワクチンでは出遅れ 接種進まず

台湾ではことし3月22日からまず医療従事者を対象にワクチンの接種が始まりました。

台湾にこれまでに届いているのはイギリスの製薬会社アストラゼネカなどが開発したワクチンです。

このワクチンをめぐっては、接種後に血栓が確認された例があるなどとして一部の国で一時、接種を見合わせる動きが相次いだことや、当時は台湾の感染状況が落ち着いていたことから、接種を希望する人は多くありませんでした。

当局は公費での優先接種の対象を税関職員などに段階的に拡大しました。

それでも接種は進まず、有効期限内に使い終わらないおそれがあったため、先月下旬からは優先接種の対象ではない人に対しても、自費での接種を受け付けるようにしました。

今月に入って新たな感染確認が相次ぐと接種希望者は一転して急増し、14日には初めて1日の接種者が3万人を超えました。

このため、自費での接種の予約受け付けは急きょ停止されました。

ただ、台湾で、ワクチンを少なくとも1回接種した人の割合は17日の時点で、まだ人口およそ2350万の0.9%にとどまっています。

当局は海外からおよそ2000万回分のワクチンの調達にめどをつけたとしていますが、実際に届いているのは30万回分余りで、次にいつ入荷するかは明確になっていません。

今あるワクチンをすべて使い切っても1回の接種を終える人は全人口の1.3%程度にとどまります。

市民からは「ワクチンが必要だ。どんなに感染対策をとっても、ワクチンを打たなければ完全には解決しない」という声が聞かれます。

飲食店への入店は「実名」を義務づけ

台湾当局は感染者が特に多い北部の台北市と新北市の警戒レベルを4段階の上から2番目に引き上げています。

この警戒レベルで義務づけられていることの1つが飲食店などでの「実名制」です。

店の入り口の前にはQRコードが掲示されていて、客がスマートフォンのカメラをかざすと出てくる画面に名前と電話番号と人数を入力して送信します。

送信まで終えたことを店側が確認すれば入店できます。

こうした店で感染者が出た場合、同じ時間に店にいて濃厚接触の可能性がある人に当局が連絡し、検査を促すなどして活用されます。

QRコードがない店は、入り口に置いている紙に客が名前と電話番号を書いてから入ることになっています。

台湾の人たちの多くは当局が打ち出す感染防止策に協力的で、IT企業などが多く集まる台北市内のオフィス街でQRコードを使ってカフェに入店した客は「どこに行ったか記録を残しやすいし、いいと思いますよ」と話していました。

台北市民の受け止めは

台湾当局は市民に不要不急の外出を控えることや、在宅勤務や時差出勤を積極的にとりいれることを求めています。

19日から今月28日までは、台湾のすべての学校で対面の授業をやめてオンライン学習に切り替えます。

台北では市街地の人通りや公共交通機関の利用者が感染が急拡大する前と比べて大幅に少なくなっています。

50代の女性は「電車に乗ったら人が少なくてびっくりしました。道路もです。でも、感染対策としてはとてもいいことです」と話していました。

外出に自転車を使ったという20代の男性は「みんな外に出ること、特に交通機関を使うのが心配なようです。私も電車に乗るのをやめました」と話していました。