1~3月のGDPきょう発表 3期ぶりマイナスか 回復ペースに違いも

内閣府は18日、ことし1月から3月までのGDP=国内総生産を発表します。民間の予測では、緊急事態宣言の影響で3期ぶりにマイナスに転じ、この結果、昨年度の年間のGDPも大幅なマイナスになるとみられています。

内閣府は18日午前8時50分に、ことし1月から3月までのGDPの速報値を発表します。

公益社団法人の日本経済研究センターがまとめた民間のエコノミスト37人の予測の平均は、物価の変動を除いた実質の伸び率が、年率に換算してマイナス4.6%となっています。歴史的な急落となった去年4月から6月までのマイナス29.3%以来、3期ぶりのマイナスを予測しています。

予測では、▽GDPの半分以上を占める「個人消費」が1月に出された緊急事態宣言の影響で3期ぶりにマイナスに転じ、▽景気の持ち直しをけん引してきた「輸出」は、急激に鈍化するとみられています。

また、合わせて発表される昨年度・2020年度の年間のGDPについての予測は、前の年度と比べた実質の伸び率がマイナス4.8%となっています。

この予測は、リーマンショックが起きた2008年度のマイナス3.6%を超える下落となっていて、新型コロナウイルスが日本経済に及ぼした影響の大きさを改めて示す結果となりそうです。

回復ペースに違いも

世界のGDPの推移をみると、感染拡大の状況などで経済の回復ペースには違いがみられます。

アメリカ ワクチン接種や大型の経済対策の効果も

前の3か月と比べたことし1月から3月までの実質GDPの伸び率をみますと、アメリカは年率換算でプラス6.4%と、3期連続のプラスとなりました。ワクチンの接種が広がり、経済活動が戻っていることに加え、大型の経済対策の効果も現れました。

中国 企業の生産活動など拡大

中国は、年率換算ではありませんが、プラス0.6%と、4期連続のプラスとなりました。
世界的な巣ごもり需要の高まりで、電子機器などの輸出が好調だったほか、企業の生産活動や不動産開発投資の拡大が続きました。

ユーロ圏 変異ウイルスで経済活動など厳しく制限

一方、ヨーロッパは、日本と同じように回復への動きが足踏み状態にあります。
ドイツやフランスなどユーロ圏19か国は、年率換算でマイナス2.5%と、2期連続のマイナスとなりました。
変異したウイルスによって感染拡大が再び深刻になり、各国で経済活動や外出が厳しく制限されたことが響きました。