インド 首都に日本人専用PCR検査場 帰国へ証明書取得を円滑に

新型コロナウイルスの感染が急激に拡大しているインドでは、帰国する日本人が相次ぐ中、必要な検査証明書を円滑に取得してもらおうと、首都ニューデリー近郊に日本人専用のPCR検査場が設けられました。

新型コロナウイルスの感染が急激に拡大しているインドでは、入院用のベッドの空きがないなど医療体制のひっ迫が続いていて、日系企業の間では駐在員を帰国させる動きが相次いでいます。

こうした中、現地の大使館や日系企業でつくる商工会などは、帰国する人たちに必要な検査証明書を円滑に取得してもらおうと、首都ニューデリー近郊に17日、日本人専用の臨時のPCR検査場を設けました。

検査場は、いわゆる「密」を避けるためホテルの前庭に設けられ、事前に予約すれば、インドに滞在する日本人なら誰でも無料で検査を受けられるということです。

インドでは、感染の拡大に伴って病院などでのPCR検査が予約しにくい状態が続いているほか、滞在する日本人からは、検査を受ける際の感染リスクを心配する声もあがっていました。

検査を受けた自動車部品メーカーの駐在員は「病院での検査は感染リスクもあるので、このような屋外での日本人専用の検査場は非常にありがたいです」と話していました。

30州で厳しい外出制限

インドでは4月以降「第2波」と呼ばれる新型コロナウイルスの急激な感染拡大が続いています。

インド政府は17日、新たに28万1386人の感染が確認されたほか、4106人が亡くなったと発表しました。

新規感染者の数が30万人を下回ったのは4月21日以来ですが、死者の数は依然として高い水準が続いています。

首都ニューデリーや商業都市ムンバイなど大都市では感染者数が横ばいか減る傾向にある一方で、医療体制がぜい弱な地方都市や農村部では感染が拡大しています。

インド全土の36の州などのうち、これまでに30で「ロックダウン」と呼ばれる厳しい外出制限が行われています。

医療用酸素の不足といった危機的な状態は、各国からの支援もあって徐々に解消されつつありますが、治療薬やワクチンが足りない状況は今も続いています。

茂木外相「帰国したい方々の出国体制を準備」

茂木外務大臣は記者団に対し「安全、確実、速やかに検査ができるので、インドの検査体制をしっかりと補完し、帰国したい方々が検査証明書をすぐに取得して出国できる体制となるよう準備していきたい」と述べました。

そして「インドに滞在中で、日本への一時帰国などを検討している方々には、出国のための手続きを早めに進めていただきたい。現時点で一時帰国を検討していない方についても、今後の感染状況の推移に十分注意し、一時帰国を含めた対応を検討してもらいたい」と重ねて呼びかけました。

立民 枝野代表「日本の水際対策 まだまだ緩く甘い」

インドで広がる変異ウイルスへの感染が国内でも確認されていることについて、立憲民主党の枝野代表は、政府の水際対策は甘いと言わざるをえないとして、強化を急ぐよう求めました。

枝野代表は、党の役員会で「インドで見つかり拡大した変異株の感染が、国内でも栃木県で確認された。変異株による感染が地方にどんどん広がってしまっている」と懸念を示しました。

そのうえで「日本の水際対策は、今の段階でもまだまだ緩く、甘いと言わざるをえない。命を守る対応を政府に強く求めたい」と述べ、対応の強化を急ぐよう求めました。

一方、枝野氏は、先週、政府が当初の方針を変更して、北海道などに緊急事態宣言を出したことについて「政治の判断に専門家を賛同させてきたプロセスが浮き彫りになった。今後は、しっかりと専門家の意見を聞いてから案を作るのが筋ではないか」と指摘しました。