コロナ重症化 関わる可能性のヒトの遺伝子変異発見 慶応大など

新型コロナウイルスに感染した場合に重症化することに関わる可能性があるヒトの遺伝子の変異を見つけたと、慶応大学などのグループが発表しました。この変異はアジア人に特有だということで、グループはさらに解析を進めるとしています。

慶応大学や大阪大学などで作る研究グループは、日本人で新型コロナウイルスの重症化に関わる要因を探るため、国内の120余りの医療機関と協力して感染した患者の血液を集めて遺伝子の解析を進めています。

研究グループは、65歳未満で重症になった患者440人と、以前に集めた新型コロナウイルスに感染していない2400人近くの遺伝子を比較して解析した結果を発表しました。

それによりますと、重症になった人の15.9%で免疫細胞の一種、リンパ球の活性化などに関わると考えられている遺伝子の近くに変異があった一方、感染していない人でこの変異があったのは9.9%で、重症患者のほうがおよそ1.6倍多かったということです。

この変異は日本人など東アジアの人でしか確認されていないということで、グループはアジア人特有の重症化に関わる因子である可能性があるとしています。

研究を統括する慶応大学の金井隆典 教授は「さらに研究を進めれば、重症化リスクの評価や治療薬の開発などにも役立てられるかもしれない。今後さらに多くの人について解析し、重症化との関連を探っていきたい」と話しています。