大規模接種 大阪会場 予約可能の1週間分 25分で受け付け終了

政府が大阪で行う大規模会場でのワクチン接種は、17日から予約の受け付けを始めましたが、用意した1週間分の予約2万5000件は、すぐに埋まりました。

政府はワクチン接種を加速させるため、大阪と東京に大規模会場を設置して5月24日から高齢者への接種を進める予定で、17日から予約の受け付けを防衛省のホームページやLINEなどインターネットで始めました。

アクセスの集中を避けるため、大阪では受け付けを大阪市に住む65歳以上の高齢者に限定しましたが、防衛省によりますと、用意した1週間分の予約2万5000件は、受け付けの開始からおよそ25分で、すべて埋まったということです。

新たな予約は来週から受け付ける予定で、対象となる地域は、
▽5月24日からは大阪府内、
▽5月31日からは大阪、京都、兵庫に拡大されます。

一方、接種会場となる大阪 北区の大阪府立国際会議場では、接種を担う自衛隊員らの部隊が編成され、発足式が行われました。

この会場では、1日最大5000人規模で接種を進めることにしていて、ワクチンは、自治体に供給されているファイザーではなく、モデルナのワクチンを使うことが検討されているということです。

ただし、国の予約のシステムは自治体とつながっていないため、仮に同時に予約した場合、いずれかをキャンセルしなければ、一方のワクチンがむだになるおそれがあるということです。

防衛省は、予約の重複を避けるとともに、重複した場合はいずれかの予約を速やかに取り消すよう呼びかけています。

30分かかって予約「安心しています」

大阪 平野区に住む林幸男さん(73)は、妻の裕子さん(71)とともに17日の午後、長男の妻の知佳さんに手伝ってもらいながら、政府が設置する大規模接種センターの予約を試みました。

大阪市が行う接種では、予約のスケジュールが決まっているのは75歳以上までで、林さんなど65歳から74歳までの人については具体的な日程は示されていません。

林さんは地域の自治会長を務めていて、会合などの際のリスクを減らしたいとの思いから、政府が設けるセンターでの接種の予約を試みました。

午後1時から、それぞれスマートフォンを手にLINEで予約しようとしましたが、予約待機画面から、なかなか次の画面に進みませんでした。

知佳さんにも手伝ってもらいながら、林さんはおよそ15分後、妻の裕子さんは30分近くかかって予約をとることができましたが、別々の日時になったということです。

林さんは「自分が感染したり、周りに感染させてしまったりするのが心配でした。予約をとることができて安心しています」と話していました。

大阪府 吉村知事「1人でも多くできるよう 非常に期待」

政府が大阪に設置する大規模接種センターの予約の受け付けが始まったことについて、大阪府の吉村知事は、記者団に対し「ワクチン接種の機会が増えることは非常に重要だ。大阪や関西全体で、できるかぎり早く、1人でも多く、ワクチン接種ができるよう非常に期待をしている」と述べました。

また、吉村知事は、府内の感染状況について「緊急事態宣言の効果は出始めている。ただ、感染者数はまだ多い状況にあり、変異株の感染力が強いので、今後、また上がってくる可能性も十分ある。医療提供体制が極めて厳しい状況も続いている。今の段階で、解除基準を議論できる状況にはない」と述べ、緊急事態宣言に伴う措置への協力を改めて強く呼びかけました。