「人生で最高の1冊」を 児童養護施設の子どもたちへ

児童養護施設で暮らす子どもたちに読書を通じて世界を広げてもらおうと、この春に施設を退所した大学生の呼びかけで「人生で最高の1冊」を贈るプロジェクトが行われています。

プロジェクトは、インターネットのクラウドファンディングの仕組みを活用して「人生で最高の1冊」と感じる本の紹介と購入費の寄付を募り、各地の児童養護施設に本を寄贈するものです。

立ち上げたのは、この春に児童養護施設を退所した関西の大学1年生、山内ゆなさんです。施設で暮らす子どもたちに読書を通じて世界を広げてもらいたいと、NPO法人の職員らと計画を進めてきました。

児童虐待や保護者がいないといった事情で児童養護施設で暮らす子どもは2万4000人余りいて、山内さん自身、育児放棄によって2歳から施設で育ちましたが、多くの本や情報に接する機会は限られ、周りには教科書を本の代わりに読む子もいたといいます。

山内さんは「『施設の子はかわいそう』といったイメージを持たれることも多く、人に頼りにくくなることもあります。プロジェクトを通じて児童養護施設のことを知ってもらうと同時に、子どもたちに本や情報を得る機会を届け、寄付された本が100冊並べば応援してくれる人が100人いるんだというメッセージが伝わればと思います」話していました。

プロジェクトは、今月31日まで行われ、寄付した人にはより理解を深めてもらおうと、施設の子どもたちに関する資料が送られる予定です。

プロジェクトの賛同人で児童養護施設を退所した若者の支援を行っているアフターケア相談所「ゆずりは」の高橋亜美所長は「家庭で虐待を受けていた子どもたちは家で安心して本を読むこともできなかったと思うし、保護されたあとも、施設にもよるが、子どもが望む本や情報が手に入りにくい現状がある。施設で頼れる大人やすてきな本に出会える可能性が広がっていくよう、本を贈る企画などを1つのきっかけに、施設やそこで暮らす子どもたちへの関心や理解が広がっていってほしい」と話していました。