ラグビー トップリーグ 準決勝 パナソニックが決勝進出

ラグビーの日本選手権を兼ねたトップリーグのプレーオフトーナメント準決勝が大阪の花園ラグビー場で行われ、パナソニックがトヨタ自動車に48対21で勝って、決勝進出を決めました。

今シーズンが最後となるラグビートップリーグのプレーオフトーナメント準決勝は日本選手権を兼ねて、大阪府・東大阪市の花園ラグビー場で15日と16日、1試合ずつ行われ、いずれも無観客が決まっています。

15日の試合ではホワイトカンファレンス1位のパナソニックとレッドカンファレンス2位のトヨタ自動車が対戦しました。

パナソニックは最初のプレーでウイングの福岡堅樹選手がトライを奪って先制しましたが、その後、トヨタ自動車はウイングの高橋汰地選手が2つのトライを決めるなどして逆転し18対17とリードして前半を終えました。

後半に入るとパナソニックが守備で安定感を取り戻して流れをつかみ、途中出場の山沢拓也選手が逆転トライを決めた後、さらに福岡選手が2つのトライを決めるなど48対21で勝って決勝進出を決めました。

パナソニックは後半に入ると、守備では1つのトライも与えずに4つのトライを決めてトヨタ自動車を突き放しました。

決勝は今月23日に東京の秩父宮ラグビー場で行われパナソニックは、16日行われるサントリー対クボタの勝者と対戦します。

ディーンズ監督「“まさにプレーオフ”という試合だった」

パナソニックのロビー・ディーンズ監督は前半、リードされながら後半の残り20分で逆転した試合運びについて「“まさにプレーオフ”という試合だった。前半は予想通り厳しいプレッシャーをかけられたが苦しい中でも選手は落ち着いたプレーをしてくれた。ゲームキャプテンの布巻選手がチームを引っ張ってくれた」と振り返りました。

また、堀江翔太選手を前半21分という早い段階で投入したことについては「堀江選手は常にチームに付加価値を与えてくれる。上手に適応してくれた」と述べ、流れを変えたベテランを高く評価していました。

3トライの福岡「悔いが残らないよう出し切る」

パナソニックの福岡堅樹選手は開始直後のトライを含め、3つのトライを決めたことについて「よかったけれどトータルのパフォーマンスとしてはもの足りない部分もあったので、決勝に向けて修正していきたい。試合直後のトライで少し浮ついてしまったというかふわふわしていた部分があるのかなという反省がある」と、活躍にも気持ちを引き締めていました。

福岡選手は今シーズン限りでの引退を表明していて「とにかく悔いが残らないように出し切って、優勝のタイトルを手にできるように全力を尽くしたい」と現役最後の試合となる決勝への決意を示していました。

松田「優勝して福岡選手を送り出したい」

パナソニックの司令塔、スタンドオフの松田力也選手は「相手は前半が強いと分析していたのでそこをどれだけ耐えられるかだと思っていた。点差は開いていなかったので結果的にうまく試合を運べたと思う」と振り返りました。

また、今シーズン限りでの引退を表明している福岡堅樹選手が3つのトライを決めて活躍したことについて「福岡選手がいることで攻めの選択肢をいろいろ判断できるので本当に味方でよかったというかもっとラグビーをやってほしいという思いだ。福岡選手の最後の試合を決勝という最高の舞台で戦えるのはうれしいし、チーム全員が優勝して福岡選手を送り出したい思っている」と話していました。

途中出場の堀江「必死さがないと勝てない」

前半、途中出場して苦しい流れを変えたパナソニックの堀江翔太選手は「大きなミスはなかったし大きな原因があって点差が開いているという印象はなかったので自分たちのやれることをやれば逆転できると思っていた」と話しました。

堀江選手はベンチから試合を見て動きが悪いと感じた選手にはハッパをかけていたということで「余裕を持つのはいいけれど、安心するのは違う。必死さがないと勝てないので尻をたたいた」と話していました。

取材記者の目「途中出場の選手が…」

一時、10点差をつけられながら勝利をたぐり寄せたパナソニック。途中出場の選手が流れを変えたことが大きな勝因となりました。

「苦しい時間が続いた試合だった」
パナソニックのゲームキャプテンを務めた布巻峻介選手は試合後にこう漏らしました。

そのことばが示した通り、パナソニックは早々に先制しながら、その後は反則でボールを失うなど「らしくない」場面が続きました。今シーズン1試合の平均失点が12点を下回る堅守がうまく機能せず16分までに3つのトライを奪われ、10点差をつけられました。

巻き返しのきっかけとなったのはロビー・ディーンズ監督のさい配でした。

いつもは後半から出場するフッカーの堀江翔太選手を前半21分という早い時間帯に投入したのです。

「動きがよくない選手に指示を出して修正していった」という堀江選手。精神的支柱が加わったことでチームは攻守で落ち着きを取り戻しました。

布巻選手も「チームの気が引き締まった」と振り返るように、相手の反則も誘うようになり、3つのペナルティーゴールなどで1点差にまで迫り前半を終えました。

後半、1点を追う展開が続く中でも途中出場の選手がチームに勢いをもたらしました。

17分に出場した日本代表経験もある山沢拓也選手は、その3分後に相手のタックルを受けながらも逆転のトライを決めました。

その後も山沢選手は巧みにボールをさばいて福岡選手のトライにつなげるなど攻撃の起点として活躍し「相手が疲れてくる時間帯で得点するという狙い通りのプレーができた」と胸を張りました。

途中出場の選手の活躍が流れを作ったパナソニック。後半はトヨタ自動車に1つのトライも与えず、一方的にトライを重ねて48対21で勝ちました。

日本代表候補の選手が11人いるなど選手層の厚さを生かしたパナソニック。

決勝でもその強さは存分に発揮されそうです。