香港政府 「リンゴ日報」創業者の資産凍結 存続心配する声も

香港政府は、中国に批判的な論調で知られる「リンゴ日報」の創業者、黎智英氏の資産を、香港国家安全維持法に基づいて凍結しました。「リンゴ日報」への締めつけは急速に強まっており、存続を心配する声も上がっています。

香港政府は、14日、香港の新聞「リンゴ日報」の創業者、黎智英氏が所有する株や銀行口座にある財産を凍結する措置をとったと明らかにしました。

黎氏は無許可の集会に参加した罪などで、4月、実刑判決を受けたほか、外国勢力と結託して国家の安全に危害を加えたとして国家安全維持法違反の罪でも起訴され、現在、裁判が続いています。

国家安全維持法では「国家の安全を害する犯罪に関係した財産を凍結することができる」と定められていますが、実際に資産凍結の措置がとられるのは初めてとみられます。

「リンゴ日報」によりますと、黎氏は新聞の親会社の71%の株を所有しているということで、香港メディアは凍結の対象となる資産は日本円で数十億円相当にのぼると伝えています。

これについて「リンゴ日報」は新聞の発行や財務に影響はないとしています。

しかし、香港政府に批判的なメディアへの締めつけが急速に強まっているだけに、市民の間では「リンゴ日報」の存続を心配する声も上がっています。

「台湾リンゴ日報」 発行停止へ

香港の新聞「リンゴ日報」などを出している会社、「ネクストデジタル」が台湾で発行する「台湾リンゴ日報」は、14日声明を発表し、5月17日の紙面を最後に発行をやめることを明らかにしました。

これは、創業者の黎智英氏が香港国家安全維持法違反などに問われて長期間の勾留が予想されるうえ、広告収入が大幅に減ったことが理由だとしています。

声明では「香港の『リンゴ日報』の運営は厳しい状況にあるが、報道の自由を守るために最も重要なとりでだ」としていて、香港の「リンゴ日報」に経営資源を集中するために台湾での発行停止を決めたものとみられます。

「台湾リンゴ日報」は今後はインターネット上で記事の配信を続けるということです。