大麻取締法に「使用罪」創設へ 法改正の準備進める方針 厚労省

大麻の乱用が若者を中心に深刻化する中、厚生労働省は、法律ですでに禁止されている所持や栽培などに加え、使用そのものを規制する「使用罪」を創設することを決めました。

警察庁によりますと、去年1年間に、大麻を所持したなどとして検挙された人は、全国で合わせて5034人と、4年連続で過去最多を更新し、20代以下が7割近くを占めています。

厚生労働省は14日、有識者会議を開き、すでに大麻取締法で禁止している所持や栽培などに加え、使用そのものを規制する「使用罪」を創設して罰則を設けることについて意見を求めました。

委員からは「薬物を使用した人や家族が相談できない状況がさらに強まり、犯罪者とされる人の数だけが増えてしまう懸念がある」などと、使用罪の創設に反対する意見が聞かれた一方、「使用を禁止しない合理的な理由がない」などと支持する意見が多く聞かれました。

これを受け、厚生労働省は来月、有識者会議で報告書を取りまとめ、使用罪の創設に向けて法改正の準備を進める方針です。

また、現在、規制の対象になっている、大麻草を原料にした医薬品については、国内での使用や製造・販売などを認める方針を明らかにしました。

なぜ「使用罪」がなかったのか?

厚生労働省によりますと、大麻取締法が制定されたのは昭和23年。当時、許可を受けて大麻草を栽培していた麻農家も、大麻の成分を吸い込んでしまうおそれがあったため、使用罪の導入が見送られました。

しかし、おととし、厚生労働省が9人の麻農家に協力を依頼して尿の成分を調べたところ、大麻の成分は検出されなかったということです。

こうした中、おととし、警察庁が、厚生労働省と協議のうえ、アンケートを行いました。

対象となったのは、大麻を所持したとして警察に検挙された631人で、「大麻の使用が禁止されていないことを知っていた」という回答が74.8%を占めました。

このうち、「使用罪がないことを知っていたことが、使用する理由になった」という回答が5.7%、「使用罪がないことを知っていたため、使用に対するハードルが下がった」という回答が15.3%だったということです。

こうしたことから、厚生労働省は、覚醒剤などのほかの違法薬物と同様に大麻の使用も規制する方針を決めました。