高齢者向け住宅でクラスター 治療にあたった医師が語る 神戸

新型コロナウイルスのクラスターが発生した神戸市内の「サービス付き高齢者向け住宅」で、治療にあたった医師がNHKの取材に応じ、医師が常駐していない施設で、職員たちが厳しい対応を迫られていると、現状を訴えました。

神戸市中央区の「サービス付き高齢者向け住宅」では、今月8日入所者の新型コロナへの感染が確認されその後、入所者6人と職員3人の合わせて9人の感染が確認されました。

この施設を月2回訪問しているかかりつけ医がNHKの取材に応じ、感染が拡大する中での施設内の様子を語りました。

この施設は、25人が入所していますが、身の回りのことが自分でできる人も多く、職員が見守りや生活の相談に乗り、医師や看護師は常駐していません。

施設の職員は、感染症の専門的な訓練を受けていないため、この医師が感染者が出た翌日に、防護服の着用のしかたや、施設内の動線の分け方など感染防止の指導を行ったということです。

また、保健所からは入所者全員にPCR検査を受けてもらうよう指示がありましたが、職員については、「マスクを着けており、濃厚接触者にはあたらない」として検査の対象になりませんでした。

この医師によりますと、職員の中には、クラスターを招いたことへの自責の念を口にする人もいて、日がたつにつれ、疲弊した様子も見られたということです。

医師は「感染予防の訓練すら受けたことのない職員たちにケアにあたらせているのは問題だ。外部のスタッフを応援に入れるなど対応が必要だ」と話しています。