ワクチン接種 予約のキャンセル相次ぐ “予約の重複控えて”

高齢者へのワクチン接種が本格化する中、医療機関では予約のキャンセルが相次いでいます。複数の予約をとって接種の時期が遅いほうをキャンセルするケースが多いとみられ、福島県郡山市の医療機関は、廃棄するワクチンが出るおそれがあるとして、予約の重複を控えるよう呼びかけています。

ワクチン接種の方法は、自治体が設けた大規模な会場で行う「集団接種」とかかりつけ医がいる医療機関などで行う「個別接種」があります。

福島県郡山市は集団接種を先行して行い、今月10日には、個別接種の予約が始まりました。

NHKが郡山市の主な病院を取材したところ、少なくとも5つの病院で合わせて63件のキャンセルが出ていることがわかりました。

このうち日東病院では、およそ600の枠がほとんど埋まった一方で、キャンセルの電話が10件以上入りました。

理由として、市のコールセンターで申し込んだ「集団接種」のほうが早く接種できるなどと説明されたということです。

日東病院では新型コロナウイルスの対応や通常診療と並行してワクチン接種の準備を進めているため、現場の負担は大きくなっています。

また、ワクチンは解凍して希釈したあとは6時間以内に使う必要があるため、キャンセルされた場合、貴重なワクチンを廃棄するおそれもあるということです。

日東病院の馬上優希事務長は「キャンセルが相次ぎ、スタッフに物理的、精神的に負担をかけてしまっている。ワクチンをむだにしないためにも予約の重複は控えてほしい」と話していました。