居酒屋チェーン「ワタミ」 休業や時短営業が続き115億円の赤字

居酒屋チェーンなどを展開する「ワタミ」のことし3月までの1年間の決算は、緊急事態宣言で休業や時短営業が続いて売り上げが落ち込んだことから、最終的な損益が115億円の赤字と、2年連続の最終赤字となりました。

ワタミの発表によりますと、ことし3月までの1年間のグループ全体の決算は、売り上げが608億円で前の年を33.1%下回り、最終的な損益は115億円の赤字で2年連続の最終赤字となりました。

緊急事態宣言に伴い店舗の休業や営業時間の短縮が続いた影響で国内の店舗では来店客が前年よりも60%余り減少し、売り上げが落ち込みました。

業績の悪化を受けてワタミは、日本政策投資銀行から100億円程度の資本支援を受け、財務基盤を強化する方向で調整を進めていて、今後、コロナ禍の消費者のニーズの変化を踏まえて、焼肉店やから揚げ店など居酒屋以外への業態転換を強化する方針です。

渡邉美樹会長は記者会見で、「新型コロナの影響は、今年度末まで色濃く残ると思う。特に、居酒屋については売り上げが前年の20%程度という状況が続くおそれもある」と述べ、当面、業績の回復は難しいという見方を示しました。