東京五輪開催 スポーツ関係者が議論 「プロセスをオープンに」

東京オリンピック・パラリンピックの開催をめぐって賛否が分かれる中、スポーツの指導や研究を行う医師や大学教授などがオンラインで議論を行い、参加者からは「主催者は安心安全と繰り返すだけではなく、準備のプロセスをオープンにして議論すべきだ」といった意見が相次ぎました。

スポーツ振興に取り組むNPO法人が13日夜にオンラインで開いた討論会には、日頃からスポーツの指導や研究に携わっている教員や医師、スポーツ指導者などおよそ40人が参加しました。

この中で、スポーツドクターの男性は「感染者が出たとき、どういう体制が必要でどういう準備ができているのかが示されないままオリンピックをやると言っているのが問題だ。なんのためのオリンピックなのか、誰のためのスポーツなのかを考えるべきだ」と指摘しました。

また、スポーツ少年団の指導者の男性は「多くの人が国内だけを見て、世界が開催できる状況か分からないまま開催か中止かという議論が行われている」と述べました。

会には、中京大学教授で大会組織委員会の理事を務める來田享子さんも参加し、「国際オリンピック委員会は加盟国や地域がどのような考えを持っているのかもっと発信するべきだ。組織委員会も準備を進めるにあたって、もっと議論をオープンにしなくてはならない。安全安心と何度繰り返しても安心できるわけではない」と指摘しました。

会を主催したNPO法人の中塚義実理事長は「立場を超えて話し合う議論は不可欠であり、一人一人が黙っていてはいけない。これを機に新しいオリンピックの形を考えていく必要がある」と話し、今後も議論を続けていくことにしています。