新型コロナ 30代感染者が語る 感染力の強さと症状悪化の不安

新型コロナウイルスに感染し、自宅で療養している30代の男性が取材に応じ、同僚から自分の両親にまで広がった感染力の強さや、症状が悪化したときの不安を語りました。

NHKのインタビューに匿名で応じたのは京都市の30代の男性です。

男性は今月上旬、感染が確認された職場の同僚の接触者としてPCR検査を受け、陽性が判明しました。

同僚とは屋内の喫煙室で1度、5分ほど会話をしただけで、窓も開いていて、換気もされていたということで、男性は「仕事と家の往復だけで、消毒を徹底し、不要不急な外出をしていなくても感染してしまい、驚きとともに恐怖を感じました」と、感染が分かったときの心境を振り返りました。

1週間余りたった今は、症状は改善しているものの、鼻づまりと筋肉痛の症状が残っているということです。

当初は37度くらいの微熱があり、目の奥に痛みを感じたということで「視覚に影響はないものの、目の奥を押されているような、ズキズキするというか、今まで味わったことがないような感覚がありました」と説明しました。

宿泊施設利用できず自宅療養に

男性は感染が判明したあと、宿泊施設での療養を希望しましたが、満室のため利用できませんでした。

4日後に空きが出たという連絡を受けたものの、すでに生活用品を整えていたため、自宅療養を続けることを決めたということです。

男性は両親と同居しているため、部屋を極力出ないようにし、トイレや風呂などを使ったときにはアルコール消毒を徹底しているといいます。

両親も感染「入院して治療受けられるのか」

京都市では12日、新型コロナウイルスに感染して自宅で療養していた、基礎疾患のない20代の男性が自宅で亡くなっていたことが分かりました。

療養を続けている30代の男性に13日、改めて話を聞いたところ、男性は「死亡した男性は若く、基礎疾患がないと聞き、自分も悪化するのかと恐怖を感じています」と話しました。

また12日になって、両親がともに感染していることが確認されたということで、男性は「両親は若くはないので、いつ容体が変化するかが不安です。昨夜はせきが聞こえてきてつらそうでした。せきが聞こえなくなると心配になって、部屋越しに何度か、大丈夫か声かけして過ごしました」と話しました。

そして「入院して治療を受けられるスペースがあるのか、ほかの患者もいらっしゃる中、不安です」と話し、両親や自分の症状が悪化したときの保健所や病院の対応に不安を抱えていると話していました。