西武HD 昨年度の決算 過去最大723億円の赤字 保有資産の売却へ

私鉄大手「西武ホールディングス」の昨年度の決算は、新型コロナウイルスの影響で鉄道やホテルの利用が落ち込み、最終的な損益が過去最大の723億円の赤字となりました。経営の立て直しに向けて、東京 港区にある「ザ・プリンス パークタワー東京」など保有資産の売却を進め、ホテル事業は運営に注力する方針です。

西武ホールディングスが13日発表した、ことし3月までの1年間のグループ全体の決算は、売り上げが3370億円と前の年度より39.2%減少し、最終的な損益は、前の年度の46億円の黒字から一転して過去最大の723億円の赤字となりました。

新型コロナウイルスの影響で、鉄道やホテルの利用が落ち込み、商業施設の売り上げも低迷しました。

今年度の業績予想も厳しい経営環境が続くとして最終損益の見通しを50億円の赤字としています。

合わせて発表した今後3年間の経営計画では、東京 港区にあるホテルの「ザ・プリンス パークタワー東京」をはじめ、保有する資産の売却を進め、ホテル事業は運営に注力する方針を打ち出しました。

会見で高橋薫専務は「新型コロナの影響は一進一退で、すぐに脱却できるとは思っていない。ホテルは運営に特化して、聖域なしで売却や流動化を行いたい」と述べました。

首都圏の主な私鉄8社はすべて赤字決算に

首都圏の主な私鉄8社の昨年度の決算が13日までに出そろい、新型コロナウイルスの影響ですべての会社が最終赤字となる厳しい内容となりました。

最終赤字の額は、
西武ホールディングスが723億円、
東急が562億円、
小田急電鉄が398億円、
京成電鉄が302億円、
京王電鉄が275億円、
京急電鉄が272億円、
東武鉄道が249億円、
相鉄ホールディングスが130億円で、
東武と相鉄を除く6社が過去最大の赤字でした。

感染収束のめどが立たない中、今期の業績予想については、西武ホールディングスが50億円の最終赤字を見込んでいるほか、京成電鉄は現時点での開示を見送っています。