ワクチン接種後 20人死亡 “因果関係 評価できずか評価中”

厚生労働省は、新型コロナウイルスのワクチンの接種を受けた人のうち、新たに20人の死亡が確認されたと発表しました。接種との因果関係については評価できないか、評価中だとしています。

これは、厚生労働省が12日開いた専門家部会で報告しました。

死亡したのは、今月6日までにファイザーのワクチンの接種を受けた20代から90代の男女20人です。

医療機関などからの報告では、接種後に脳出血や心不全などが見られ、2人は老衰と診断されたということです。

接種との因果関係については、いずれも「情報不足などで評価できない」か「評価中」だとしています。

今月6日までに高齢者や医療従事者などに行われた接種は合わせて423万回余りで、接種後に死亡したのは39人となりました。

また、今月2日までに報告された接種後の症状のうち、国際的な評価指標でアナフィラキシーに該当したのは107件で、およそ3万5700回に1件の割合でした。

全体の4割近くが40代だったということです。

厚生労働省の専門家部会は「現時点で接種体制に影響を与える重大な懸念は認められない」として、引き続き接種を進めていくことを了承しました。

専門家「体調優先して 接種延期なども検討を」

厚生労働省の専門家部会の委員で、埼玉県立小児医療センターの岡明病院長は、接種後の死亡について「高齢者の死亡は一定の確率で起きるので、どのように評価して伝えていくかは非常にデリケートな問題だ」としたうえで「具合が悪いときに接種を受けると、状態が悪化するリスクなどがある。接種を焦らず、体調を優先して延期することなども検討してほしい」と述べました。