厚労省 専門家会合 北海道 九州などで感染者急増 必要な対策を

緊急事態宣言が延長され対象地域が拡大となった12日、新型コロナウイルス対策について助言する厚生労働省の専門家会合が開かれました。
感染拡大は地域差が見られ、医療提供体制が危機的な状況が続いている大阪府や兵庫県では今後、新規感染者数の減少が見込まれるとした一方、北海道や九州、それに岡山県などでは急増し、医療体制への負荷も大きくなっているとして必要な対策を速やかに取るよう求めています。

12日の専門家会合では、緊急事態宣言が出されてから2週間余りが経過した東京や大阪などでの感染や医療提供体制の状況のほか、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象になっていないものの、感染が急速に拡大している地域の状況などについて分析が行われました。

この中で、全国の感染状況については地域差が大きく見られ、急速に増えているところと減少傾向にある地域が混在しているとした一方、重症者や亡くなる人の数は増加が続いていて、さらに増加する可能性が高いと分析しました。

地域別に見ると、緊急事態宣言が出ている大阪府や兵庫県では、今後、新規感染者数の減少が見込まれる一方、一般の医療を制限せざるをえない危機的な状況が続いているとしています。

特に大阪府では、新規感染者数は減少に転じているものの非常に高い水準が続いていて、人出の減少も下げどまりの状態だとして今後、感染者数の減少が続くか注視が必要だとしています。

また、首都圏については、東京都と埼玉県で「感染者の増加が止まったとは判断できない」として、人出や新規感染者数の推移を注視することが求められるとしています。

さらに愛知県や福岡県、北海道などで感染者数が急増し、今後も増加が続く可能性があるとしていて、とくに札幌市では患者を広域に搬送するケースも見られるなど医療提供体制が厳しくなっているため、感染レベルを下げる対策が必要だとしています。

緊急事態宣言や重点措置の対象ではない地域でも岡山県や広島県、九州の各県などでは急激に感染者数が増加していて医療体制への負荷が大きくなりつつあるとして必要な取り組みを速やかに実施すべきだとしています。

専門家会合は、緊急事態宣言や重点措置の対象地域では変異ウイルスの感染力の強さを踏まえてタイムリーに対策を行うことが求められるとしたほか、各自治体で感染症の専門家などの助言を得るための会議体を設けて対策を行う必要性を強調しました。

また、国立感染症研究所の分析ではすでに多くの地域で感染力の強い変異ウイルスが従来のウイルスから置き換わっているとしていて、専門家会合はインドで確認された変異ウイルスを検出するPCR検査を行って監視体制を強めるなど、新たな変異ウイルスの国内での感染拡大を可能なかぎり抑えることが重要だとしています。

田村厚労相「東京は宣言の効果が見えず」

田村厚生労働大臣は専門家会合の冒頭「大阪の感染状況は、緊急事態宣言が出たこともあって、なんとか頭打ちになり、若干、下がりつつあるのではないかと期待している」と述べました。

一方、東京の感染状況について「きょうは、緊急事態宣言の期間に入った2週間前よりも感染者数が増えていて、宣言の効果が見えていない。きょうだけを見て判断するのは早いが、宣言を出しても変異株はそう簡単に感染抑制できないものなのかどうかや、そうであるならば次はいったい何が必要なのかということも含めて、分析していただきたい」と述べました。

脇田座長「宣言 感染者数減少していくかを見て評価」

専門家会合のあとの記者会見で脇田隆字座長は、緊急事態宣言の効果について「昼や夜も滞留人口の減少が見られ、一定の効果はあったと考えている。ただ、感染者数を減らすことが目的なので、減少していくかどうかをきちんと見て評価していく必要がある」と述べました。

また、今後感染者数がステージ2にあたる10万人当たり、15人以下になるまでの見込みについて「2回目の緊急事態宣言が出された時期について分析すると、ことし1月のピーク時からステージ2の水準になるまでに東京で44日間、大阪で28日間かかっている。したがって、今の感染状況からステージ2程度に減少させるには少なくともそのくらいの期間が必要だと考えている」と話しています。