高齢者ワクチン接種 7月末終了可能は全国の市区町村の86%

高齢者向けの新型コロナウイルスのワクチン接種について、政府が全国の市区町村に調査したところ、全体の86%にあたる1490の自治体が、政府が目指している7月末までに接種を終えられると回答しました。

菅総理大臣が7月末を念頭に終えたいとしている高齢者向けのワクチン接種について、政府が4月末に行った聞き取り調査では、全国1741の市区町村のうち、7月末までに終えられると回答した自治体はおよそ1000の自治体でした。

これを受けて政府は、自治体側からの要望を踏まえ、高齢者向けワクチンの具体的な配送計画を各自治体に提示し、今月7日時点で接種の終了時期の見通しを改めて調査しました。

その結果、7月末までに終えられると回答した自治体は、前回の調査よりもおよそ500増えて、全体の86%にあたる1490の自治体になったということです。

また、兵庫県や京都府など17府県では、それぞれの府や県のすべての自治体が7月末までに終えられると回答したということです。

一方、7月末までに間に合わないと回答した251の自治体は、終了時期の見込みについて、185の自治体が8月中、66の自治体が9月以降としています。

総務省によりますと、間に合わないと回答した自治体の多くが、接種を担う医療従事者の不足を課題にあげているということで、政府は、個別に課題を聞き取り、必要な支援を行うことで自治体の計画の前倒しを図りたい考えです。

また、7月末に終えられると回答した自治体の中にも、必要な医療従事者の確保などのメドが立っていないところがあるということで、政府は、計画どおりに接種が進むよう支援したいとしています。

都道府県別の調査結果

▼すべての自治体が、7月末までに接種を終えられると回答したのは、岩手、新潟、富山、石川、福井、岐阜、京都、兵庫、奈良、和歌山、鳥取、島根、山口、徳島、愛媛、長崎、大分の17府県でした。

▼一方、7月末までに終えられると回答した自治体の割合が最も低かったのは、秋田県の56%で、次いで静岡県の62.9%、岡山県の63%などとなっています。

▼人口が多い都府県で、7月末までに終えられると回答した自治体の割合は、東京が67.7%、神奈川が84.8%、大阪が90.7%、愛知県が92.6%、埼玉県が73%などとなりました。

「7月末までに終了」と回答した自治体の割合

◇北海道 77.7%
◇青森県 85.0%
◇岩手県 100.0%
◇宮城県 85.7%
◇秋田県 56.0%
◇山形県 94.3%
◇福島県 84.7%
◇茨城県 68.2%
◇栃木県 84.0%
◇群馬県 82.9%
◇埼玉県 73.0%
◇千葉県 66.7%
◇東京都 67.7%
◇神奈川県 84.8%
◇新潟県 100.0%
◇富山県 100.0%
◇石川県 100.0%
◇福井県 100.0%
◇山梨県 88.9%
◇長野県 88.3%
◇岐阜県 100.0%
◇静岡県 62.9%
◇愛知県 92.6%
◇三重県 89.7%
◇滋賀県 84.2%
◇京都府 100.0%
◇大阪府 90.7%
◇兵庫県 100.0%
◇奈良県 100.0%
◇和歌山県 100.0%
◇鳥取県 100.0%
◇島根県 100.0%
◇岡山県 63.0%
◇広島県 87.0%
◇山口県 100.0%
◇徳島県 100.0%
◇香川県 82.4%
◇愛媛県 100.0%
◇高知県 88.2%
◇福岡県 86.7%
◇佐賀県 90.0%
◇長崎県 100.0%
◇熊本県 82.2%
◇大分県 100.0%
◇宮崎県 92.3%
◇鹿児島県 88.4%
◇沖縄県 75.6%