全国でワクチン接種システム不具合 米のクラウドサービス障害

インターネット上のクラウドで顧客管理などさまざまなサービスを提供するアメリカの「Salesforce」のシステムに障害が発生し、このシステムを使う日本の厚生労働省のワクチン接種の管理システムなどに影響が出ています。セールスフォース・ドットコムは影響範囲を特定し、復旧に当たっているとしています。

セールスフォース・ドットコムによりますと、日本時間の12日午前6時すぎ、社内の技術担当チームがインターネット上のクラウドで提供している複数のサービスで障害が発生していることを確認したということです。

このクラウドサービスは、世界中の企業や行政機関などで利用されていて、日本でも厚生労働省の新型コロナワクチンの管理システムや自治体の予約システムなどで、不具合が出るなどの影響が出ました。

会社では、原因はDNSと呼ばれるインターネットのドメインなどを管理するシステムに起きた障害によるものだとして、サービスの復旧に当たり、日本時間の午前11時すぎまでに多くのサービスでは復旧しているということです。

セールスフォース・ドットコムのパーカー・ハリス最高技術責任者は、ツイッターで「お客様への大きな影響を認識し、積極的に解決に取り組んでいる」とし、日本時間の午前11時前のツイートでは「サービスは大幅に復旧している」などとしています。

ワクチンのシステムにも不具合

厚生労働省によりますと、新型コロナウイルスのワクチンの接種を円滑に進めるために開発した「V-SYS」と呼ばれるシステムでも不具合が起きました。

この影響で、自治体や医療機関、卸売業者などが、いつどれだけのワクチンが配送されるかや、在庫の量などを一時、確認できなくなったということです。

また、全国の医療機関について、病床の使用率のほか、医療スタッフや人工呼吸器などの確保の状況などを一元的に把握するシステム「G-MIS」の運用にも支障が出たということです。