鉄鋼大手3社 今年度3年ぶり黒字確保の見通し 鉄鋼需要回復で
鉄鋼大手3社の今年度の業績は、新型コロナウイルスの影響で落ち込んでいた鉄鋼需要が回復するとして最終的な利益が増益や黒字に転換する見通しです。
このうち、神戸製鋼所が11日発表した決算によりますと、昨年度のグループ全体の売り上げは1兆7055億円で前の年度より8.8%減りましたが、最終的な利益は232億円で、2年ぶりに黒字を確保しました。
これは、新型コロナウイルスの影響で一時、主力の自動車向けの鋼材の生産が大幅に落ち込んだものの、経費の削減を進めたほか、このところ自動車向けを中心に鉄鋼需要が回復していることなどによります。
今年度の業績についても鉄鋼需要の回復が続くとして最終的な利益は250億円と増益になる見通しを示しています。
神戸製鋼所の山口貢社長は「需要の回復を着実に取り込んでさらなる業績改善を目指したい」と述べました。
鉄鋼大手では、日本製鉄とJFEホールディングスが昨年度の決算で最終損益がいずれも赤字となりましたが、今年度については鉄鋼需要が回復するとしていずれも3年ぶりに黒字を確保するという見通しを示しています。