ワクチン接種へ “潜在看護師”に実技演習 東京都看護協会

新型コロナウイルスのワクチン接種にあたる人材を確保しようと、東京都看護協会は、看護師の資格はあるものの、今は仕事に就いていない“潜在看護師”向けに集団接種に関する知識や技術を教えるセミナーを始めました。

セミナーは、東京都看護協会が新型コロナウイルスのワクチン接種が本格的に始まるのを前に、今月から“潜在看護師”向けに始めました。

東京 新宿区の会場で開かれたセミナーには、およそ30人が参加し、ワクチンの接種の流れや副反応などについて学んだあと、正しく注射ができると緑色のランプが光る腕のモデルを装着して接種の手順を確認していました。
子育てをきっかけに現場を離れ、7年ぶりに復帰するという40代の女性は「久しぶりの注射で緊張しましたが、ワクチン接種に向けて力になれたらと思っています」と話していました。

東京都看護協会によりますと、今月から始まったセミナーに参加した潜在看護師はおよそ240人にのぼるということです。

東京都看護協会によりますと、潜在看護師は都内に7万人いると推計されています。

東京都看護協会の山元恵子会長は「ブランクがあるけれども、これまでの経験がある看護師たちなので、きっとワクチン接種の貴重な戦力になってくれると思います。不安がなくなるよう実技演習を実施し、接種に関わる医療従事者の確保につなげたい」と話していました。

参加者「接種を進める力になれば」

都内に住み看護師の資格がある松元絵美さん(42)は7年前まで総合病院に助産師として働いていましたが、妊娠・出産を機に現場を離れていました。

新型コロナウイルスに関連するニュースが連日流れるなか、自分に何かできることはないかと気になっていたということです。

病院に勤務していたときは毎日患者に点滴をして頻繁に注射もしていました。

子どもが小学生になったことや夫が在宅勤務になったこともありワクチン接種だったら協力できるのではないかとセミナーに参加しました。

松元さんは「ニュースなどで医療現場の大変さを知り自分にできることはないかを思っていたところ、注射だったら協力できると思いました。現場を離れてから健康相談などの対応はしたことがありますが、注射は久しぶりでした。自宅でインターネットの動画を見てイメージトレーニングをしていましたが、きょう、本物の注射器を持つことで感覚を取り戻すことができました。私のような潜在看護師が、ワクチン接種を進める力になればいいと思います」と話していました。

松元さんは今月27日に行われる東京 練馬区の集団接種にスタッフの1人として協力する予定だということです。