ファイザーなどが開発のワクチン 12~15歳も許可へ 米FDA

FDA=アメリカ食品医薬品局は10日、製薬大手ファイザーなどが開発した新型コロナウイルスワクチンについて、緊急使用の許可の対象を12歳から15歳の子どもにも拡大すると発表しました。

ファイザーとドイツの企業ビオンテックが開発した新型コロナウイルスワクチンは、アメリカでは16歳以上を対象に緊急使用の許可が出されていますが、対象の拡大を目指し、15歳以下の子どもについても臨床試験が進められています。

ファイザーは、このうち12歳から15歳について、ワクチンの接種後に新型コロナウイルスによる症状が確認された人はいなかったなど、効果と安全性を示す結果が得られたとして、先月、FDAに対象年齢の拡大を申請していました。

FDAは10日「審査の結果、使用できる年齢を12歳以上に変更する」として、緊急使用の許可の対象を12歳から15歳の子どもにも拡大すると発表しました。

FDAは「今回の決定は、若い世代を新型コロナウイルスの感染症から守るうえで重要なステップだ」とコメントしています。

ファイザーは11歳以下を対象にした臨床試験も行っていて、ことし9月にも緊急使用の許可の対象を拡大するよう申請する方針を明らかにしているほか、別の製薬会社モデルナと、ジョンソン・エンド・ジョンソンもそれぞれ、17歳以下の臨床試験を進めています。

国内の接種対象拡大の見通しは

加藤官房長官は、11日午後の記者会見で「FDA=アメリカ食品医薬品局に提出された、12歳から15歳の接種にかかるデータに基づき、国内で医薬品の審査を行うPMDA=医薬品医療機器総合機構に、添付文書の改訂に向けた相談がファイザー社から行われると承知している」と述べました。

その上で「今後、添付文書の改訂により、新たな接種対象者が12歳から15歳に拡大された場合には、ファイザー社の臨時接種の枠組みの対象を12歳以上に拡大するかどうかについて、別途、厚生労働省の審議会で議論いただくことになる」と述べました。