東京都 博物館など国立施設の再開前に 文化庁に休館継続を要請

緊急事態宣言の延長後も東京都が法律に基づいて休館するよう要請している都内の博物館や美術館のうち、国立の施設が12日から再開するとしていて、都は10日夜、文化庁に対し、休館を継続するよう強く要請しました。

緊急事態宣言の延長をうけて、床面積の合計が1000平方メートルを超える博物館や美術館について、政府が営業時間の短縮に緩和したのに対し、都は休館を続けるよう要請しています。

こうした中、先月25日に宣言が出されてから臨時休館していた国立の5つの施設が、延長期間に入る12日から再開することを明らかにしました。

明らかにしたのは、国立科学博物館、東京国立近代美術館、国立新美術館、国立映画アーカイブ、それに東京国立博物館です。

一部の施設は、ホームページで「文化庁の方針」と説明していて、都は10日夜、文化庁に対し、法律に基づく要請だとして休館を継続するよう書面で強く要請しました。

都は、書面の中で「政府の基本的対処方針では、『都道府県知事の判断により、多数の者が利用する施設に対する使用制限を含めて、施設管理者などに必要な協力を要請できる』と記載されていて、都内の状況を踏まえ、内閣官房と協議のうえ、決定した措置だ」としています。

文化庁幹部「合理的な理由 示されていない」

東京都の要請に対し、文化庁の幹部は「同じ都内にある国立劇場や新国立劇場は開いていいとする一方、美術館や博物館の休業を求める都の意図をはかりかねている。文化庁は国民に文化芸術を提供するために施設を設置しており、国民に説明できる合理的な理由があれば都の要請に応えてもよいが、現状では合理的な理由が示されていない」と話しています。