塩野義製薬 変異ウイルスに対応するワクチン開発に着手

大阪に本社がある製薬大手「塩野義製薬」は、開発を進める新型コロナウイルスのワクチンについて、変異ウイルスに対応する開発にも着手したことを明らかにしました。

「塩野義製薬」は、新型コロナウイルスのワクチン開発を進めています。

「遺伝子組み換えたんぱくワクチン」と呼ばれるタイプで、ウイルスのたんぱく質の一部だけを人工的に作って投与し、体の中で抗体を作り出します。

去年12月、新型コロナのワクチンの臨床試験を始めています。

塩野義製薬の手代木功 社長は、10日に開かれた決算会見の中で、急速に拡大している変異ウイルスに対応するワクチンの開発にも着手したことを明らかにしました。

会見の中で手代木社長は「変異株の遺伝子の情報から、ワクチンのもとになるたんぱく質を培養するという初期の作業を行っている」と述べました。

会社では今後、どのようにすれば変異ウイルスへの免疫がつくのかを調べ、有効性の検証などを進めていきたいとしています。

手代木社長は、日本の会社がワクチンを開発することについて「将来、日本独自の変異株が出た場合に、国内で対応できるワクチンメーカーがないと厳しい」と述べ、その重要性を強調しました。