ワクチン予約電話で発着信制限 NTTと携帯大手

NTTと携帯大手各社は、新型コロナウイルスのワクチン接種の予約で、10日朝から、電話が集中した場合、発信や着信を制限する対応をとっています。消防や警察などへの通報を含む、ほかの電話がつながりにくくなるのを避けるためだとしています。

10日から多くの自治体がワクチン接種の電話予約を始めますが、NTT東日本と西日本は10日朝から、全国およそ200の自治体が予約を受け付ける電話番号への通信量が増えた場合、着信を制限する対応を取っています。

消防や警察への緊急通話などを含むほかの電話がつながりにくくなるのを避けるためで、電話が集中した場合には「電話が混み合っている」という音声案内を流し「話し中」となる電話の数を減らすということです。

携帯大手各社も協力して、予約先の電話番号への発信を制限しています。

NTTと携帯大手各社は、予約の電話がつながりにくい時は時間をおいてかけ直すことや、インターネットでの予約を検討してほしいなどと呼びかけています。

NTT東日本は、今月6日にも通信量の増加を受けて都内の固定電話への着信を制限し、電話が一時つながりにくくなっていました。

発信・着信制限の理由は

今回、通信各社が発信や着信の制限に踏み切ったのは、消防や警察への緊急通話を含むほかの電話がつながりにくくなる状況を避けるためです。

電話がつながらない場合には「ツーツー」という音が聞こえる「話し中」となりますが、予約の電話が集中して「話し中」の回線が増えると通信ネットワークの容量を圧迫し全体がつながりにくくなってしまいます。

制限では「話し中」とするのではなく、「ただいま混み合っています」という音声案内を流すことで、容量にいわば空きスペースを設け、全体のつながりやすさを維持するねらいがあります。

今回の対策では、全国のおよそ200の自治体の予約を受け付ける電話番号をあらかじめ把握し、これらの番号への電話が集中する時にだけ発信や着信が制限されます。

このため、NTTでは制限によって予約の電話がさらにつながりにくくなることはないとしています。

官房長官「つながる量には変わりはない」

加藤官房長官は10日午前の記者会見で「この措置は予約の電話番号の通話をつながりにくくするものではなく、他の電話番号なども含め、固定電話全体のつながりやすさを維持するということであり、結果として、予約の電話番号につながる量には変わりはないと聞いている」と述べました。