平日昼のレンジ利用増 手軽な料理が人気 家電のデータ分析

コロナ禍で、平日の昼に冷蔵庫やオーブンレンジを使う頻度が大幅に増え、手間がかからない料理の人気が高まっていることが、ネットにつながる家電のデータ分析から明らかになりました。

大手電機メーカーのシャープは、インターネットにつないで使う家電のデータを使用者の同意を得たうえで収集し分析しています。

それによりますと、緊急事態宣言が出された去年の4月は、冷蔵庫のドアが開け閉めされた回数が平日の日中の時間帯を通じて前の年の同じ月を上回り、正午時点ではおよそ2倍に増えていました。

また、オーブンレンジが使われた回数も正午時点では前の年の同じ月の2倍に増え、調理されたメニューではゆでたまごやピザトースト、焼きそばといった比較的手間をかけずに調理できるものが順位を上げていました。

メーカーでは、平日の昼に自宅にいても在宅勤務などのため、手軽なメニューを選択する人が増える傾向が出ていると分析していて、ネットにつながる家電の事業を担当する中田尋経部長は「データを収集すると、顧客がいま求めている使い方、新たな傾向が読み取れるので、顧客の生活の変化に合わせて家電が進化していくことが求められている」と話しています。

調理家電の売り場広げる動き

家電量販店では、高まる巣ごもり需要を取り込もうと、調理家電の売り場を広げる動きが出ています。

家電量販店大手のノジマの神奈川県川崎市の店舗では、昨年度の調理家電とキッチン家電の売り上げが、前の年度と比べて40%増えました。

このうち、ホットプレートは3.1倍と急増して一時的に品薄の状態になったほか、冷蔵庫も2倍近くになりました。

巣ごもり需要を取り込もうと、店では調理家電の売り場を広げ、陳列する商品の種類を充実させたということです。

ノジマ川崎水沢店の岩田慶也部門リーダーは「買いだめをしたいから冷蔵庫を大きくしたいとか、ホットプレートを使って家族の食事を楽しみたいといったようにコロナ前後で需要の傾向が変わっている。テレワークなども定着し、家電の売り上げは引き続き伸びていくと思う」と話していました。