緊急事態宣言の延長 GDPを3500億円~1兆円程度押し下げる試算

緊急事態宣言の期間の延長と対象地域の拡大が日本経済に与える影響について、民間のシンクタンクや証券会社は、新たにGDP=国内総生産を3500億円から1兆円程度押し下げるという試算をまとめました。

このうちみずほ証券は、緊急事態宣言の期間が今月31日まで延長され、対象地域が6つの都府県に拡大した場合、年間のGDPを6000億円押し下げると試算しています。

また、先月25日から今月31日までの宣言期間中全体では、年間のGDPを1兆円程度、率にして0.2%押し下げると試算しています。

宣言の対象となる地域がGDPの4割以上を占め、個人消費が落ち込むためで、経済的な損失は、時短営業など営業活動の制限の対象となる、サービス業や飲食業に集中するとみています。

また、第一生命経済研究所は宣言の期間の延長と対象地域の拡大で新たに3500億円余り、野村総合研究所では新たに1兆600億円余り、それぞれGDPを押し下げると試算しています。

みずほ証券の小林俊介チーフエコノミストは「飲食業やサービス業は、経営体力が小さい一方で、多くの雇用を抱えている。従業員の雇用を維持するための支援も求められる」と指摘しています。