都内でインドの変異ウイルス5人検出 4人は渡航歴なく

インドで報告されている新型コロナウイルスの変異ウイルスについて、東京都の「健康安全研究センター」が分析した結果、これまでに5人の検体から検出されたことがわかりました。このうち4人は渡航歴がなく、渡航歴がある人の濃厚接触者でもないということです。

都の健康安全研究センターは4月1日以降にセンターで受け付けた検体のうち、検査可能な量が残っているものを抽出し、インドで報告されている変異ウイルスかどうかを分析しました。

その結果、5人の検体から検出されたということです。

このうち4人の検体からは「L452R」と「E484Q」という2つの変異を併せ持っていることが確認されましたが、残る1人の検体からは「L452R」の変異があるものの「E484」に変異はないと確認されたということです。

5人のうち1人は海外への渡航歴がありますが、残りの4人は渡航歴がなく、渡航歴がある人の濃厚接触者でもないということです。

5人は、国立感染症研究所の検査で4月20日に確認された1人とは別だということです。

センターは、インドで報告されている変異ウイルスかどうかを調べるスクリーニング検査を4月30日から始めましたが、それ以降では検出されていないということです。

都の「専門家ボード」の座長を務める東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は「今後、この変異ウイルスが増えていくのかどうか、経過を見ていかなければならない。検査の体制をより強化し、ほかの種類の変異ウイルスも含めて推移を追っていく必要がある」と述べました。

一方、感染力が強い「N501Y」の変異があるウイルスについて、都の研究センターに集められた検体を分析した結果、5月2日までの1週間で、218件のうち67.9%にあたる148件で検出されたということです。

前の週と比べて8.3ポイント増えていて、都が検査を始めてから割合が最も多くなりました。