国民投票法改正案 今後は

憲法改正の手続きを定めた国民投票法の改正案が衆議院憲法審査会で可決されました。秋までに行われる衆議院選挙では憲法改正も争点の1つとなる見通しで、各党が示す改正の是非や内容が問われることになります。

国民投票法とは

憲法改正の手続きでは、憲法の「改正原案」が国会に提出され、衆参の憲法審査会、そして本会議で可決されると「国民投票」が行われます。その手続きを定めているのが「国民投票法」です。

改正案 駅やショッピングセンターでも投票可能に

国民投票法の改正案は、公職選挙法にあわせて
▽事前に決められた投票所以外でも投票可能な「共通投票所」を駅の構内やショッピングセンターなどに設置できるようにするほか、
▽船の上での「洋上投票」の対象を、遠洋航海中の水産高校などの実習生にも拡大することなどが盛り込まれています。

テレビ広告の規制めぐる主張も

改正案は、平成30年6月に自民・公明両党や日本維新の会などが、投票の利便性を高めるため提出しましたが、提出後、自民党が「自衛隊の明記」など4項目の憲法改正案を審査会に提示する姿勢を示したことに野党側が反発するなどして与野党の協議が整わず、継続審議となってきました。

与党側は早期の採決を求めましたが、立憲民主党などは今の法律では、テレビ広告の費用に上限がないため、資金力のある政党や政治団体の主張が結果に影響を与えかねず、広告規制も議論すべきだとして時期尚早だと主張していました。

提出からおよそ3年。今の国会で立憲民主党は広告規制などについて「施行後3年をめどに法制上の措置を講じる」ことが改正案の不足に盛り込まれれば採決に応じる方針を示し、これを受けて自民党と立憲民主党は提案に沿った修正を行ったうえで会期内に成立させることで合意しました。

自民党 憲法改正の中身の議論進めたい考え

自民党が、立憲民主党の要求を、いわば「丸飲み」する形で修正に応じたのは、3年間、継続審議になってきた改正案を1日も早く成立させ、憲法改正そのものの議論に入りたいという意向があるからです。

菅総理大臣は、憲法記念日に、新型コロナ対策を例にあげ、憲法に緊急時の対応を位置づけることは「極めて重く大切な課題だ」と指摘し、憲法改正に意欲を示しました。

自民党としては、3年前にまとめた「自衛隊の明記」や「緊急事態対応」など4項目の改正案をたたき台として各党で憲法改正の中身の議論を進めたい考えです。

立憲民主党 「法制上の措置」の議論を優先

改正案をめぐり、野党側は、各党それぞれの立場で、足並みがそろわなくなっていました。

立憲民主党としては、足並みの乱れに加え、改正案の提出から3年近くがたち、入り口の手続き論で抵抗しているように見られるのは得策でないという判断もあり、具体的な修正を提案し、採決に応じる姿勢に転じました。

ただ、立憲民主党は、憲法改正の中身を議論する前に広告規制など国民投票法に残る課題の解決が欠かせないとしていて、3年をめどに講じることで合意した「法制上の措置」の議論を優先するよう求めていく方針です。

衆議院選挙 各党が示す改正の是非や内容問われる見通し

秋までに行われる衆議院選挙では憲法改正も争点の1つとなる見通しで、各党が示す改正の是非や内容が問われることになります。