“連休中の人数 過小評価せず対策を” 東京都モニタリング会議

東京都の「モニタリング会議」が開かれ、専門家は流行の主体が感染力の強い変異ウイルスに急速に置き換わりつつあり、第3波を超える急激な感染拡大が危惧されるとしたうえで、大型連休中と連休明けの新規陽性者数は医療機関の休診で少なくなるなど影響を受けるとして、過小評価せず、徹底的な対策を続ける必要があると指摘しました。

会議のなかで専門家は都内の感染状況と医療提供体制をいずれも4段階のうち、最も高い警戒レベルで維持しました。

このうち感染状況については、新規陽性者の7日間平均が5日時点でおよそ768人と、1週間前・先月28日時点のおよそ727人の106%となり、高い水準で推移していると説明しました。

また感染力が強い「N501Y」の変異があるウイルスに感染した人の割合は、先月18日までの1週間は45.3%でしたが、先月25日までの1週間は57.0%まで上昇し、流行の主体が急速に置き換わりつつあると指摘しました。

そのうえで専門家は、新規陽性者数は増加し続けていて、第3波を超える急激な感染拡大が危惧されるとしています。

また大型連休中と連休明けは、医療機関の休診による検査数の減少や報告の遅れで新規陽性者数が少なくなるなど影響を受けると指摘し、この期間の数値を過小評価せず、徹底的な対策を続ける必要があると指摘しました。

一方、専門家は、5日時点で入院患者は2167人まで増加していて、今の新規陽性者数の増加ペースが続けば、2週間後には2595人となると推計され、変異ウイルスに置き換わるほど、さらに多くなると説明しました。

また重症の患者のうち、60代以下の割合が増加傾向で、若い世代であっても重症化リスクが高いとして、あらゆる世代が感染リスクの当事者だという意識を持つ必要があるとしています。

都内では「N501Y」変異ウイルスが6割近く

感染力が強い「N501Y」の変異がある新型コロナウイルスは、先月25日までの1週間に都内で行った検査のうち6割近くで見つかり、前の週と比べておよそ12ポイント増えました。

都内では、都の「健康安全研究センター」と民間の検査機関などで、「N501Y」の変異があるウイルスかどうかの検査が行われています。

先月25日までの1週間に都内で確認された新規陽性者の4割近くに当たる1887件の検体を調べた結果、「N501Y」の変異があるウイルスは、およそ57%に当たる1076件で見つかりました。

前の週と比べておよそ12ポイント増えました。

都内では、「N501Y」の変異があるウイルスの割合が、ことし3月22日の週から毎週およそ15%ずつ増加しています。