14歳少女が遺書「自由が取り戻せるのならたとえ死んでも幸せ」

軍による市民への弾圧が続くミャンマーで、クーデター以降、治安部隊の発砲などで51人の子どもが死亡したことが現地の人権団体の調べでわかりました。

死亡した子どもの中には、軍の弾圧の恐怖を感じながらも、遺書の入ったカードホルダーを身に着けてデモに参加していた少女がいました。

ミャンマーでは、ことし2月のクーデター以降、軍による市民への弾圧が続いていて、現地の人権団体「政治犯支援協会」によりますと4日までに769人が治安部隊の発砲などで死亡し、このうち51人は6歳から17歳の子どもでした。

NHKがこの人権団体や地元メディアに確認したところ、亡くなった子どものうち最も多い26人は抗議デモの現場で死亡していて、デモに参加して殺害されたとみられる一方、12人は抗議活動とは関係のない自宅などで死亡しており、弾圧に巻き込まれたものとみられています。

人権団体は「軍は抗議活動に参加する若者や子どもたちを銃撃し、恐怖によってデモを制圧しようとしている。国際社会は軍に抗議する民主勢力が発足させた『国民統一政府』を政府として承認するなど支援してほしい」と呼びかけています。

「自由が取り戻せるのならたとえ死んでも幸せです」

死亡した子どもたちの中には、治安部隊に一時拘束され軍の弾圧の恐怖を感じながらも抗議活動を続けていた少女がいます。

最大都市ヤンゴンに住んでいた少女、ウィンワさん(14歳)はことし3月、抗議デモのさなかに治安部隊の銃撃を受け、死亡しました。

父親によりますと、ウィンワさんは亡くなる4日前にも軍に抗議する集会に参加して治安部隊に一時拘束され、警察官から「次に会ったら殺す」などと脅しを受けていたということです。

しかし、同世代の若者がデモに参加して死亡したことをSNSで知り、身の危険を顧みず、自由を求めてデモに参加し続けていたといいます。
父親は、ウィンワさんが亡くなったあと、遺書の入ったカードホルダーを身に着けてデモに参加していたことを知りました。

そこには「私が死んでも、闘いを続けてください。自由が取り戻せるのならたとえ死んでも幸せです」と書かれていました。

父親は「歌うことが大好きな家族思いのとてもいい子で、かけがえのない娘だった。娘の死が無駄だったとは思いたくない。その死が人々に何かを伝えるものであってほしい」と涙ながらに話していました。

軍に対抗し「人民防衛隊」を結成

ミャンマーで軍に対抗する民主勢力は軍の弾圧から市民を守るためだとして「人民防衛隊」と名付けた部隊を結成したと発表しました。

今後、少数民族の武装勢力との連携を強める構えで、これに対する軍の弾圧がさらに激しくなるおそれがあります。

ミャンマーでは軍による市民への弾圧が続いていて、現地の人権団体によりますと治安部隊による発砲などでことし2月のクーデター以降、4日までに769人が死亡しています。

アウン・サン・スー・チー氏が率いる政党のメンバーなど軍に対抗する民主勢力でつくる独自の政府「国民統一政府」は5日、声明を出し、「軍による市民に対する弾圧を許さない」などとして「人民防衛隊」と名付けた部隊を結成したと発表しました。

声明では、この部隊について、軍と戦闘を続けてきた少数民族の武装勢力とともに創設を目指す軍事組織「連邦軍」の母体となると位置づけていて、武装勢力との連携を強める構えを示しています。

一方、部隊の人員や構成などの詳細は公表されておらず、軍に対し本格的に武力で対抗していくのかどうかは明らかにしていません。

軍は「国民統一政府」の主要メンバーを反逆罪に問うとして逮捕状を出して行方を捜しており、今後、軍による弾圧がさらに激しくなるおそれがあります。