英で確認の変異ウイルス 142の国・地域に拡大 WHOが報告書

WHO=世界保健機関は、イギリスで最初に確認された、変異した新型コロナウイルスの感染が世界の142の国や地域に広がっているなどとする報告書をまとめました。特にインドでは、1週間の死者数が世界全体の25%を占めるなど、深刻な感染拡大が続いていると警鐘を鳴らしています。

報告書によりますと、▽イギリスで最初に確認された変異ウイルスの報告があった国や地域の数は、4日の時点で142と、前の週に比べて3増えました。

また、▽南アフリカで確認された別の変異ウイルスの報告があった国や地域は97と10増え、▽ブラジルで確認された別の変異ウイルスの報告があった国や地域は56と3増え、いずれも感染が拡大しています。

これら3つの変異ウイルスには、感染力や免疫の効果に影響を与えるおそれのある遺伝子変異があり、WHOは「懸念される変異株」として監視を強めています。

このほか、WHOは、インドで確認された変異ウイルスについて、3つの変異ウイルスに次ぐ「注目すべき変異株」に指定していて、先月27日の時点で、少なくとも17か国で報告されたとしています。

このうちインドでは、今月2日までの1週間の感染者数が世界全体の46%に上ったほか、死者数も25%を占めたとしています。

また、周辺地域のネパールやスリランカでも感染が広がり、この地域の死者は前の週から48%増えたとし、深刻な感染拡大が続いていると警鐘を鳴らしています。