WHO 感染急拡大のインドへ医療支援継続

WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は、新型コロナウイルスの急激な感染拡大で医療体制の危機的な状況が続くインドに対して、医療機器の提供や臨時の病院の設置などの支援を続けているとしたうえで、各国に対して改めて感染対策の徹底を呼びかけました。

インドでは新型コロナウイルスの急激な感染拡大で医療体制の危機的な状況が続き、病床や医療用の酸素の不足が続いています。

WHOのテドロス事務局長は3日の定例記者会見で、インドに対して酸素を供給するための医療機器の提供や臨時の病院を設置するための支援、それに入院できない感染者を自宅でケアするための助言を行っていると述べました。

テドロス事務局長は、ほかの地域でも再び感染が拡大する可能性はあるとして、各国に対して改めて感染対策の徹底を呼びかけました。

テドロス事務局長はこのほか、ワクチンの公平分配の枠組み「COVAXファシリティ」が製薬会社モデルナから5億回分のワクチンの提供を受ける契約を結び、第3四半期の後半から供給が始まる見通しになったことを歓迎しました。

COVAXをめぐってはインドで製造されるアストラゼネカなどのワクチンの供給が大幅に遅れていて、テドロス事務局長は「引き続き分配には厳しい制限がある」と述べ、自国民に必要な分量を超えるワクチンを確保している国々に対してCOVAXへの寄付を呼びかけました。

米国務長官も「あらゆる支援する決意」

G7=主要7か国の外相会合に出席するためイギリスを訪れているアメリカのブリンケン国務長官は、3日、会合にゲストとして招かれているインドのジャイシャンカル外相と会談しました。

会談のあと、両外相は記者団に対し、新型コロナウイルスの急激な感染拡大に直面するインドへの支援について意見を交わしたことを明らかにしました。

そのうえで、ブリンケン長官は「われわれは共に闘っており、あらゆる支援をする決意だ」と述べました。

アメリカ政府はこれまでにインドに酸素ボンベや医療用マスクなど、あわせて1億ドル以上、日本円で100億円以上に相当する医療物資を提供すると表明していて、中国への対抗を念頭に関係強化を目指すインドへの支援に力を入れています。