日中韓 ASEAN 財務相・中央銀行総裁会議 “経済は下方リスク”

日本、中国、韓国とASEAN=東南アジア諸国連合の財務相・中央銀行総裁会議が開かれ、域内の経済は新型コロナウイルスの変異株の拡大などで大きな下方リスクにさらされているとして、すべての利用可能な政策手段を用いることで一致しました。

日中韓3か国とASEAN各国の財務相と中央銀行総裁による会議が3日、オンラインで開かれ、日本からは麻生副総理兼財務大臣と日銀の黒田総裁が出席しました。

会議では、新型コロナウイルスの影響を受けた経済の回復や金融協力について意見を交わしました。

会議後に発表された共同声明では、域内の経済の回復について「各国間・各国内でばらつきがあるとともに、新たな変異株の拡大やワクチン接種のペースの違いなどにより大きな下方リスクにさらされている」と指摘し、すべての利用可能な政策手段を用いることで一致しました。

会議のあと、記者会見した麻生大臣は「世界経済に不確実性が残る中で各国の大臣や中央銀行の総裁が率直な意見交換を行うと同時に地域金融協力の重要性を改めて確認できたことは有意義だった」と述べました。

また、アメリカと中国の対立が深まる中この会議に先立って開かれた日中韓3か国の会合について、麻生大臣は「とげとげしい雰囲気はなかった」と述べたものの、途上国への債務の返済猶予をめぐる問題などで中国の姿勢が十分ではないとして対応を促していく考えを強調しました。