ワクチン 高齢者接種開始3週間 2回目接種へ自治体が態勢作り

新型コロナウイルスのワクチンについて高齢者への接種が始まって3日で3週間です。現在のワクチンは原則、3週間の間隔を空けて2回目の接種を行うことになっています。各地の自治体がスムーズに予約を受け付け接種につなげる態勢作りに追われています。

ファイザーなどが開発した新型コロナウイルスのワクチンは先月12日から高齢者を対象に優先接種が進められています。

このワクチンは原則、3週間の間隔を空けて2回受ける必要があり、接種開始から3週間となる3日以降、各地で2回目の接種が順次始まる見込みです。

多くの自治体が電話のコールセンターやインターネットなどで予約を受け付けていますが、接種すべきタイミングが限られることになる2回目の接種をめぐって各地の自治体がスムーズに予約を受け付け接種につなげる態勢作りに追われています。

自治体によっては
▽1回目と2回目の予約をそろって同時に受け付けたり
▽1回目の接種を行う会場で2回目の予約を受け付けたりしています。

また
▽1回目の接種のあと3週間後の同じ時間に同じ会場で2回目の接種を受けるよう指定する自治体や
▽予約できる期間を1回目と2回目で分けて、3週間以上先の時期の予約は2回目の接種に限って受け付ける自治体もあります。

厚生労働省は「予約の受け付け方法は会場の数や大きさなど地域によって異なるが確実に2回、適切な時期に接種できるよう地域の事情に応じて自治体に工夫してほしい」としています。

現場では悩みも 東京 狛江

東京 狛江市では1回目と2回目で予約できる期間を分けることにしています。

狛江市ではまだ高齢者施設以外での接種は始めておらず、今月12日から75歳以上を対象に1回目の接種の予約を電話とLINEで受け付けます。

1回目の予約は19日先までの間で受け付けますが、2回目の予約については最初の接種から21日以上先の時期の予約を受け付けるということです。

狛江市新型コロナ予防接種室の池田優主査は「1回目と2回目を分けずに予約を受け付けてしまうと2回目の予約が取りにくくなるおそれがあると考えた。確実に2回目の接種ができて予約も取りやすいシステムにした」と話しています。

ただ、どのくらいの人が接種を希望するのか正確な見通しを立てることは難しく手探りの部分もあるといいます。日によっては2回目の予約で埋まってしまい、1回目の人が予約できなくなる可能性も考えられるということです。

このため狛江市では状況を見ながら予約枠や接種会場を増やすことや、1回目と2回目の予約をそろって同時に受け付ける方法に切り替えることも必要に応じて検討するとしています。

池田主査は「20日の間隔を空ける2回目の接種はどの自治体も頭を悩ませているところだと思う。実際に予約や接種が始まり不都合な出来事が起きたら柔軟に対応しながら最適な方法を見つけていきたい。国からの詳しい指針があるとより自治体も準備しやすい」と話しています。

海外でも工夫が

2回にわたるワクチン接種については海外でも同じような工夫が進められています。

このうちアメリカのニューヨーク州では、インターネットで予約すると1回目の接種の3週間後に同じ会場で同じ時間に2回目の接種が自動的に予約されます。1回目の接種を終えた人に電子メールで案内が届くということです。

また、イギリスではかかりつけ医から直接連絡がくるほか、専用のサイトでは1回目と2回目の接種の予約を同時に受け付けています。予定が合わなくなった場合は予約をキャンセルして別の日を選べるということです。

ほかにも多くの国や地域が同様の方法を採用しています。