NBA観戦のファンに予約なしでワクチン接種 米ウィスコンシン州

NBA=アメリカプロバスケットボールの観戦に訪れたファンが、新型コロナウイルスのワクチンを予約なしで接種できる珍しい取り組みが2日、ウィスコンシン州で行われました。

この取り組みは、中西部のウィスコンシン州・ミルウォーキーに本拠地を置くNBAのバックスが2日、初めて実施しました。

バックスの本拠地のアリーナ内に設けられた接種会場には、試合開始の1時間ほど前から観客が次々と訪れ、受付から15分ほどで1回目の接種を終えていました。

この日はイースタンカンファレンス3位のバックスと1位のネッツが対戦する好カードということもあって、観客は上限いっぱいの3280人が集まり、会場のスタッフも含めおよそ200人がワクチン接種を受けたということです。

ワクチンを接種した人は「驚くほどスムーズだった。とても便利だし、理にかなっている」とか「去年10月に1度感染した経験があるので、再び感染しないためにワクチンを接種しに来た。誰にでも開かれていて、とてもいいアイデアだ」などと話していました。
ウィスコンシン州の保健当局の担当者は「まだ接種できていない人たちは仕事で時間がないとか週末は接種できないなど、いろいろな理由がある。そういう人たちにも便利で簡単に接種できる機会を作っていきたい」と話していました。

接種率向上へ給付金も

アメリカではワクチンの接種を完了した人がすでに1億人を超え、人口のおよそ31%にのぼっている一方、接種のペースが鈍化していて、政府にとって、ワクチンをためらう人たちなどにどう働きかけるかが新たな課題となっています。

このうち、南部ウェストバージニア州は16歳から35歳の住民に対し、ワクチンを接種すれば1人当たり100ドル、日本円でおよそ1万900円を債券の形で給付する方針を示していて、若者の接種率の向上につなげたいねらいです。

また、ニューヨークでことし1月にオープンし、これまで50万回以上の接種を行ってきた大規模会場の「ジャビッツ・センター」では、先月末から予約なしで接種を受けられるようになりました。

一方、ロサンゼルスでこれまで42万回以上のワクチン接種を行うなど、大規模会場として活用されてきた大リーグのドジャースタジアムは、需要が減少してきたことなどから今月いっぱいで閉鎖されることが決まっています。