兵庫 医療体制ひっ迫 尼崎 西宮で入院待ちの高齢患者死亡

兵庫県内で医療提供体制がひっ迫する中、2日、尼崎市と西宮市は入院を待って自宅などで待機していたいずれも高齢の患者が死亡したと発表しました。

このうち、兵庫県尼崎市は2日、新型コロナウイルスに感染し、市内の自宅で入院を待ちながら治療を続けていた80代の女性が死亡したと発表しました。

女性は先月23日に感染が確認され、基礎疾患があったものの、当初は、せきやけん怠感だけで軽症だったため、自宅で入院を待っていたということです。

しかし数日後に症状が急速に悪化し、医師が自宅で酸素投与を行うなどの治療を続けてきましたが、1日、亡くなったということです。

また、西宮市は70代の女性が先月29日に入居中の高齢者施設で死亡したと発表しました。

女性は先月21日に感染が確認され、当初は軽症で定期的に医師による治療を受けながら施設で入院待機中だったということです。

兵庫県では感染者が急増し医療提供体制がひっ迫していて、自宅などで入院を待つなかで、死亡する人が相次いでいます。

兵庫県 重症患者用の病床使用率 初めて80%超える

感染の急拡大が続く兵庫県では、重症患者用の病床の使用率が80%を超えるなど、医療体制がひっ迫しています。

兵庫県は「外出や会食などの行動を自粛してほしい」などと感染しないための行動をとるよう強く呼びかけています。

兵庫県では、緊急事態宣言が出されて1週間がたった2日も、日曜日としては最多の539人の感染が新たに確認されました。

兵庫県は、これまでに935の病床を確保していますが、感染の急拡大が続き、1日の時点で743人が入院していて、病床の使用率は79.4%となり、医療提供体制はひっ迫しています。

このうち重症者用の病床は118ありますが、1日の時点で使用率は80.5%で、去年11月の「第3波」以降、初めて80%を超え、最も高くなりました。

兵庫県感染症対策課の西下重樹課長は記者会見で「患者数が多いが、5日前から最長で2週間前までの行動が今の状況に反映している。ぜひ外出や会食などの行動を自粛し、感染者の増加に歯止めをかけてもらいたい」と述べ、不要不急の外出の自粛など感染しないための行動をとるよう強く呼びかけています。