新型コロナ重症者 全国で1050人に 1月27日を上回り過去最多

厚生労働省によりますと、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や集中治療室などで治療を受けるなどしている重症者は、2日時点で1050人となりました。1日から30人増え、ことし1月27日時点の1043人を上回ってこれまでで最も多くなりました。

専門家は変異ウイルスの影響を指摘

国内の新型コロナウイルスによる重症者の数がこれまでで最も多くなったことについて、専門家は変異ウイルスの影響を指摘しています。

感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は「変異ウイルスが広がっていることが一番の理由ではないかと思う。これまでは、感染してから重症化するまで2週間ほどかかり、重症者の数は遅れて増えてくるという認識だったが、最近はいきなり重症化するケースも多いようだ」と指摘しています。

濱田特任教授によりますと、変異ウイルスが重症化しやすいかどうかについては、まだ、確立した科学的な証拠はないということです。

一方、4月、ヨーロッパの公衆衛生に関する専門誌に掲載された論文では、イギリスで最初に確認された変異ウイルスは若い世代でも、従来に比べて重症化しやすくなっていることを示唆するデータが報告され、注目されているということで、濱田特任教授は「変異ウイルスは、感染力が強いだけでなく重症化しやすいという見方が多くなっている」と話していました。

また、このほかの要因について、濱田特任教授は「感染者数が増えたことで軽症者や無症状者をキャッチできておらず、いわば氷山の一角しか捉えられていないため、重症者が多いように見えている可能性も否定できない」と話していました。

西村経済再生相「重症者 さらに増えること想定し国も支援」

西村経済再生担当大臣は、記者会見で「比較的若い世代の人も変異株によって重症化する報告を受けている。重症化する人の数は、感染者数よりも、2週間から3週間遅れて増加する傾向がある。さらに重症者が増えることも想定して、それぞれの自治体で病床を増やしており、国としても支援しながら、なんとしても命を守るべく、全力を挙げていきたい」と述べました。

退院した人は

一方、症状が改善して退院した人などは
▼国内で感染した人が52万7233人、
▼クルーズ船の乗客・乗員が659人の合わせて52万7892人となっています。

また、4月29日には速報値で1日に2万6478件のPCR検査などが行われました。