余ったコロナワクチン どう対応? 海外の取り組みは

大型連休中もワクチンの接種が進んでいますが、一方で、余ったワクチンが捨てられるケースも報告されています。海外ではどう対応しているのか、各国の取り組みです。

フランス 対象外でも会場の外で待つ人に接種

ワクチンが余って捨てられるケースはフランスでも問題になっています。

先月、医師が使い切れなかったワクチンを廃棄する動画を投稿したところ大きな反響を呼びました。

毎日2000人近くに接種を行っているパリ郊外の会場では、予約をした人の8%ほどが来場せず、ワクチンの余りが出ます。

現在、国が定める接種の対象者は原則として55歳以上ですが、余ったワクチンは廃棄しないで済むよう、対象者でなくても会場の外で待つ人に接種しているといいます。

余ったワクチンの接種を求めて待っていた45歳の男性は「ここに来るのはきょうで3日目です。地方に住む両親と22か月、会うことができていないので、接種をして、安心して会いに行きたいのです」と話していました。

また「子どもが欲しいのですが、妊娠の前にワクチンを打っておきたいと思います」と話す若い女性もいました。

接種希望者と薬局などをつなげるサイトも

フランスでは薬局などでも接種できますが、少人数分でも余ったワクチンをむだにしないよう、接種希望者と薬局などをつなげるサイトも登場しました。

「Covidliste(コビッドリスト)」というサイトでは、薬局などがワクチンの種類や人数、地域などの情報を入力すると、事前に登録している希望者の中から、条件にあてはまる人にメッセージが送られます。

パリ市内の薬局では朝、サイトで3人を募集したところすぐに見つかり、ワクチンを使い切ることができました。

接種を受けた女性は「打ちました。初めての接種です。うれしいです」と話し、薬剤師の女性は「素晴らしいですね。このサイトのおかげでむだを出さずに済みます」と話していました。

このサイトは3月末に開設されてからSNSや口コミで評判が広がり、1か月で接種を希望する80万人が登録しました。

接種を行う1000以上の薬局などと提携しこれまでに5000人が余ったワクチンの接種を受けたといいます。

サイトを開発したマルタン・ダニエルさんは、「私たちのプラットフォームによってワクチン100人分が余っていれば、少なくとも60人の希望者は確保できます」と話していました。

ドイツ 接種希望者の名簿を作成

ドイツでは去年12月、新型コロナウイルスのワクチンの接種が始まり、4月からはかかりつけ医のもとでも接種を受けられるようになりました。

政府は現在、年齢などで接種の対象者の優先順位を設けていますが、予約が急にキャンセルされるなどしてワクチンが余った場合、廃棄を避けるためであれば、優先順位どおりではない接種も認めるとしています。

ベルリン市内にある診療所では、4月30日、接種の予約が1件、急にキャンセルされ、近くのスーパーで働く38歳の女性が代わりに接種を受けに訪れていました。

女性は「電話をもらって5分ほどで駆けつけました。接種を受けたい人がより早く接種できる可能性があり、すばらしいことです」と話していました。
この診療所では、接種を希望する人のリストをワクチンの種類別に作成し、ワクチンが余った場合は、リストの中から優先順位が高い順に電話をかけて、すぐ来られる人に接種しています。

接種を始めてからおよそ1か月間で、急なキャンセルは3回あったものの、いずれもほかの希望者に接種し、廃棄せずに済んでいるということです。

診療所の担当者は「接種を受けたいという問い合わせは非常に多く、ワクチンを捨てることなくすべて打つことができている」と話していました。

ドイツでは4月30日の時点で少なくとも1回、接種を受けた人は2200万人を超え、人口のおよそ27%となっています。

政府はことし9月までに子どもを除くすべての市民にワクチンを行き渡らせるとしています。

韓国 “キャンセル待ち” 名簿を作成

ことし2月から新型コロナウイルスのワクチン接種が始まった韓国では、接種を予約していた人が体調不良などで急きょキャンセルした場合、余ったワクチンをほかの人に接種することでむだにしないようにする取り組みが行われています。

韓国の疾病管理庁は3月から、接種を行う全国の2200あまりの医療機関に対して、予約のキャンセルなどで余ったワクチンの接種を希望する、いわゆる「キャンセル待ち」の人の名簿を作成するよう求めています。

また名簿に記載されている人の中に当日、接種を受けられる人がいない場合、ほかの目的で医療機関を訪れた人や付き添いの人などに接種することも認められているということです。