トップアスリートの相談が1.4倍に急増 コロナ禍で不安や葛藤

トップアスリートの心理的な相談を受け付ける国立スポーツ科学センターの窓口に昨年度寄せられた相談件数が、前の年度の1.4倍に急増したことが分かりました。
この中では新型コロナの影響で不安を感じているといった声が多く、コロナ禍がアスリートの心理面にも影響を及ぼしている実態が浮き彫りになりました。

アスリートの競技力向上に向けた研究などを行う東京・北区の国立スポーツ科学センターには、平成14年からオリンピックの強化指定選手などを対象に心理学の専門家や臨床心理士などが心理面での相談に応じる窓口を設けています。

この窓口への相談件数が、昨年度の速報値で1152件に上り、前の年度の798件と比べて1.4倍に急増したことが分かりました。

具体的には、コロナの影響で練習ができなくなったとか、東京オリンピック・パラリンピックの延期で、先が見えない不安を感じているといった内容が多かったということです。

中には、この状況でスポーツをしていていいのかといった声もあったということで、コロナ禍がアスリートの心理面にも影響を及ぼしている実態が浮き彫りになっています。

国立スポーツ科学センター・心理グループの立谷泰久さんは「選手は葛藤の中で東京大会への準備をしている。心理面のサポートに申し込むことは勇気がいると思うが、遠慮なく相談してほしい」と話しています。