日野市立病院の医師 患者から受け取った100万円を同僚らに配る

東京 日野市の市立病院の医師が、患者から現金100万円を病院を通さずに受け取り、同僚の医師と看護師に配っていたとして、減給の懲戒処分を受けました。受け取った現金は、新型コロナウイルスへの対応をねぎらう趣旨の寄付だったということです。

減給10分の1・3か月の懲戒処分を受けたのは、東京 日野市立病院の54歳の男性医師です。

市によりますと、男性医師は去年4月、患者から「新型コロナで頑張っている病院職員に寄付したい。防護具代として使ってほしい」と申し出があり、現金100万円を受け取りました。

本来の手続きでは、総務課を窓口として病院の歳入として扱う必要がありますが、男性医師はその後、同僚の医師4人に10万円ずつ、看護師50人に1万円ずつそれぞれ配ったうえ、残りの10万円はみずから自宅で保管していたということです。

ことし2月になって市に情報が寄せられ、調査したところ、今回の不正がわかりました。

男性医師は市の調査に対して「大人数の慰労会などを開くのも難しく、寄付してくれた人の気持ちをくんで同僚らに配ってしまった」と話しているということです。

市は先月、分配された現金を回収し、患者に返金したうえで、改めて正規の手続きで寄付を受けました。

日野市は「今回の件を深く反省し、組織の規律維持に努めたい」としています。