インド コロナ医療危機 各国から支援物資が次々に到着

インドでは新型コロナウイルスの感染が急激に広がり、医療体制のひっ迫が危機的な状況の中、アメリカなど各国から提供された医療物資が次々に到着しています。

インド政府は30日、新たに38万6452人が新型コロナウイルスに感染していることが確認され、3498人が亡くなったと発表しました。

インドでは感染の爆発的な広がりで、首都ニューデリーを中心に各地で病床や医療用の酸素が不足して亡くなる人が相次ぐなど、医療体制がひっ迫し、危機的な状況が続いています。

これを受けて、これまでに40以上の国と地域が支援を表明していて、30日午前、ニューデリーの空港には、アメリカから送られた酸素ボンベや医療用マスクなどの物資が到着しました。

アメリカ政府は、30日到着した物資も含めて合わせて1億ドル以上、日本円で100億円以上に相当する医療物資をインドに支援するとしています。

また、イギリスやロシア、UAE=アラブ首長国連邦などからも医療物資が続々と届いているほか、日本政府も人工呼吸器などを供与するとしています。

インド政府も各メーカーに酸素の増産を指示するなど対応を急いでいますが、感染の急激な拡大に歯止めがかからない中、十分な酸素が供給されるにはさらに時間がかかるとみられています。

中国 習主席がメッセージ「支援を行う用意がある」

中国外務省によりますと、習近平国家主席は30日、新型コロナウイルスの感染が急激に広がるインドのモディ首相に対し、中国としても、支援を行う用意があるとするメッセージを送りました。

この中で、習主席は「インドにおける新型コロナウイルスの感染状況を非常に憂慮しており、中国政府と国民を代表してインド政府と国民に心からお見舞いを申し上げる。中国は、感染対策でインドとの協力を強化し、支援を行う用意がある」としています。

また、中国外務省の汪文斌報道官は、30日の記者会見で、すでに人工呼吸器や医薬品などをインドに輸出しているとしたうえで、地方政府や民間団体、それに企業などが必要な物資をなるべく早くインドに届けられるよう努力していると説明しました。

中国とインドは、両国の係争地帯で双方の軍が衝突するなど、関係が悪化していますが、各国が医療物資を提供する中、中国としても積極的に協力する姿勢を示した形です。